旅つむぎ

旅人の雑感
青春18きっぷ スタンプよっつめ
空が明るんで名古屋駅が近づく辺りで、だんだん風景が灰色にぼやけ始めた。
濃くなってゆく霧の中を、列車は進む。愛知県を過ぎ、岐阜県へ入っても、視界はいっこうに良くならない。
やがて、車内放送が入った。濃霧の影響で、この列車は大垣到着が5分遅れるという。
まずい。
そうなると、大垣着は6時ちょうど。大垣乗換の在来線も、6時ちょうどの発車だ。乗継ができない。気を揉むうちに、列車名になった長良川を渡り、揖斐川を越えて、ムーンライトながら91号は大垣駅1番線ホームへ滑り込んだ。
早めにデッキへ出ていたのだが、降りた場所は跨線橋の階段口から少々遠かった。3番線には、接続待ちの東海道本線米原行きが停まっている。臨時便でもお構いなし。ムーンライトながら恒例、「大垣バトル」の火蓋が切られた。乗継列車に猛ダッシュで向かわないと、着席できないのである。他の乗客にぶつからぬよう気を配りつつも、未だ痛む腰を省みず可能な限りの速度を出して突っ走る。周囲の殆どが参戦し、状況が呑み込めないおばちゃんグループは目を白黒させて追い抜かれていく。このホームの跨線橋上には、「構内10km/h以下」という「人間向け」の速度制限標識が付けられているが、誰もそんな物見ちゃいない。(笑)
何とか座席を確保して、まずは米原へ。ここで乗換え、新快速で大阪を目指す。
8時13分大阪着。駅構内のコンビニで、紙パックのオレンジジュースをひとつ購入。これが朝食だ。紀州路快速(関空快速連結)を待って、8時34分大阪駅発。
いつもながらびっしりと構造物が立て込んだ大阪の中心部を舐めるように、環状線の線路を辿る。天王寺から阪和線へ入り、凄い速さで風景が後ろへ飛んでいくのを眺めていると、あっという間に堺市まで来てしまった。
日根野で関西空港へ行く1〜5号車を切り離し、6〜8号車3両が和歌山へ。この編成割合は、平日土休日や時間帯によって変化があるらしい。9時58分、和歌山駅に到着。20数分の待合せ時間に、構内と駅ビルを少々探検して紀勢本線に乗車。といっても、下車駅はたったふたつ先の紀三井寺駅だ。
紀三井寺遠景
花の雲に浮かぶ 紀三井寺伽藍

紀三井寺駅では、熟年グループや家族連れを中心に結構な人数が降りた。そして殆どが、紀三井寺へ向けて歩き始める。折りしも、近畿地方でもっとも早く開花するという桜が盛りを過ぎたばかり。花見がてらの参詣が多いのだろう。
紀三井寺本堂

えっちらおっちら坂道を登り、裏手に当たる駐車場方面から本堂の横手へ。桜が舞い散る境内は、なかなかの賑わいだ。紀三井山金剛宝寺護国院。西暦770年以来の名刹である。
本尊の救世観音へ手を合わせるのもそこそこに、際限なく降り続ける花びらを黙々と掃き集めている作務衣姿のお坊さんを捉まえて訊ねる。
何を、と、説明するまでもなく(笑)、墓の在処だ。
忝い事に、とても丁寧な対応をして戴く。
腰をかばいつつ、更に上へ。
墓場のスミレ墓所の斜面に咲いていたスミレ


目指す墓へ到達して背後を振り返ると、はるか下方、樹々を押し分けるように和歌浦湾のくすんだ青が広がっていた。
紀三井寺墓地

帰り道は、本堂前から231段あるという表参道の階段を降りる。明るすぎるくらいの陽射しの中、階段下にならぶ土産物屋の店内が涼しげな陰を生む。
勝海舟寓居の地碑紀三井寺駅から和歌山駅へ折り返し、駅前広場で路線バスに乗車。和歌山市駅前まで行く。少し歩いて、「勝海舟寓居地」の碑へ。舟大工町の質舗前に建っているが、実際に逗留したのは橋丁の両替商・清水平右衛門邸だったというから、実際の場所とは合致しない事になる。たった10数日の滞在で石碑が建立されるのだから、大層な話だ。

お城を遠巻きに眺めながら、徒歩で再び和歌山駅方面を目指す。和歌山ラーメンの「井出商店」で遅い昼食。
特製中華そば600円チャーシューメン@井出商店


取り敢えず和歌山での用事は終了。しかし、半端に時間が余っている。本来なら和歌山線で奈良方面へ出たいところだが、運悪くこの日は線路工事のために夕方まで運行休止。ならば、和歌山電鐡で終点の貴志駅まで行き、名物駅長と助役に会ってこようか。そう考えて、和歌山電鐡の乗り場へ赴いた。
貴志駅駅長しょぼ〜ん……

ホームに掲示された告知を見て、がっかり。貴志駅の駅長と助役2名は、日曜が定休日だという。それでは訪問の意味がないから、すごすごとJRのホームへ引き返す。
不本意ながら同じ経路で大阪駅まで戻り、福知山線に乗換えて親戚の家へ顔を出しに行く。短時間の訪問で、また大阪駅へ。大丸梅田店地下2階に出店している淡路屋で、ネット予約していた駅弁を受取り。19時ちょうど発の新快速長浜行きへ飛び乗る。
クロスシートの座席が総て埋まっているのはもちろんの事、通路やドア前も、乗客でびっしり。車両の端で連結ドアに寄り掛かるように立って腰をかばい、両足を踏ん張るのだが、かなりの速度を出しているらしく、揺れがひどくて、まだ痛みの残っている腰へ響く。関西在住の親戚から「京都までは少々人が多い」という情報を得ていたが、これは少々どころの騒ぎとは違う。しかも、京都駅を過ぎても混雑が緩和する気配は見えず、山科、草津と、乗換えポイントの駅を過ぎても立ち通し。座席へ腰を降ろせたのは、守山駅まで来た後だった。それでも車内は人人人。当然、弁当を広げる雰囲気ではない。車内で夕食が摂れない場合の用心に各駅の休憩所情報も押さえてあったため、米原駅ホームの待合室を利用する事に決めた。そうした目論見もあって、早めに大阪を出ていたのである。
20時22分、米原駅着。21時54分発の豊橋行きまで、じっくりと弁当を味わおう。
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青春18きっぷ スタンプみっつめ

4月7日。利用期間最後の週末が始まった。
夜行快速「ムーンライトながら」で関西へ向かうべく、大垣までの座席指定券は確保してある。「ムーンライトながら」、「ムーンライトえちご」、「ムーンライト九州」(臨時)、「ムーンライト山陽」(臨時)、「ムーンライト松山」(臨時)、「ムーンライト高知」(臨時)、「ムーンライト八重垣」(臨時)、「ムーンライト信州」(臨時)、などの夜行快速は、夜のうちに長距離が移動でき、なおかつ青春18きっぷが使えるため、青春18きっぷ利用可能期間の週末は、どの列車も満席御礼状態。発売開始と同時に飛びついたわけではないのに、よく座席指定券が入手できたものだと、我が事ながら感心する。
先に書いたが、青春18きっぷはスタンプが押された日付内なら、どこまでも普通列車か快速列車で移動可能だ。ただし、夜行列車で乗車中に日付が変わる場合は以下のいずれかを選ぶ事になる。
 ・青春18きっぷで乗車し、検札時に翌日分のスタンプを受ける
 ・青春18きっぷで乗車し、検札時に改めて目的地への乗継乗車券を購入する
 ・乗車時は日付が変わる駅までの乗車券で乗車し、検札時に翌日分のスタンプを受ける
今回乗車するのは、臨時増発の「ムーンライトながら」91号。日付が替わる最初の駅は、小田原だ。特別価格の購入金額を5回で割ると1600円。1回(1日)の運賃で考えると小田原までの分だけでも何とか「元が取れる」のだが、せっかくだから、と、日中も極力使う事にした。
まずは、両国へ。江戸東京博物館に向かい、展示を見ずに売店で「志”満ん草餅」(じまんくさもち)を購入して引き揚げる。向島の専門店が作るこの草餅を、殊の外喜んでくれる年配者が近所に住んでいるのだ。ヨモギも良い時期だし、さっそく届けに戻る。
お次は、友人と待合せの渋谷。夕方に別れ、他の場所へもJRで寄り道して買物。
いったん帰宅して入浴と夕食を済ませ、荷物を点検し、改めて東京駅を目指す。
早めに東京駅に着いてしまったため、列車内でよく眠れるように一杯飲ろうかと思ったのだが、22時近くなると構内の飲食店や売店はどんどん閉店していく。北側自由通路の側にある、飲食店街のバーは満員だ。八重洲口で駅前広場を渡れば、朝まででも呑める店がいくつもある事は承知しているが、そこで座ってしまうと列車へ乗らずに呑み続けてしまいそうでコワイ。(笑) 丸ビルまで出張るのも、何だか面倒臭い。
うろうろしているうちに時間が過ぎ、23時少し前に東海道本線が発着する10番線ホームへ向かう。ちょうど、大阪行きの寝台急行「銀河」が入線するところだった。
「銀河」を見送り、定期運行の「ムーンライトながら」を見送る。
ムーンライトながら@東京駅これは定期便のムーンライトながら
↓鵜飼の絵がヘッドマーク
ムーンライトながらヘッドマーク

そしておもむろに、「ムーンライトながら」91号が入線。国鉄時代に中央本線などで使用されていた183系・189系車両だ。ほぼ満席の車内に乗り込んで席に着くと、さすがに年季のいったリクライニングシートは、いささかガクガクしていた。予想以上に暖房が効いているため、毛布代わりにと思っていたジャケットは窓際のフックへ掛ける。
23時26分、列車は灯火きらめくビルの谷間から滑り出した。
乗車したのはこちらの列車
ヘッドマークは「快速」
ムーンライトながら91号
ムーンライトながら91号掲示

品川、横浜と、停車の度に次々利用客が乗り込んでくる。日付が替わって、0時50分、小田原到着。小田急線などを利用して、ここから乗車する人も想像以上に多かった。
窓外の暗闇に、時折街灯の心細げな光が行き過ぎる。浅い眠りとぼうっとした寝醒めを繰り返すうち、検札の車掌さんが回ってきた。指定券を出し、18きっぷに新しい日付スタンプを押してもらう。
そこからは深く眠り込み、ふと気が付くと列車は浜松駅を発つところだった。豊橋駅で定期運行の「ムーンライトながら」に追いつき、すぐ発車。ここで45分停車をしている定期便を追い越して、終点の大垣へは1時間の先着になる。
風景は暗く、夜明けの気配はまだ遠い。

志”満ん草餅(じまんくさもち)
〒131-0034 東京都墨田区堤通1-5-9
TEL・FAX:03-3611-6831
午前10時〜午後5時 (売切れ次第終了)
水曜日休
http://jimankusamoti.com/

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青春18きっぷ スタンプふたつめ

青春18きっぷ、お次の目的地は千葉県銚子。
4月1日。前週と違い、朝から天気も良好。早めに家を出て、電車に乗り込む。
まずは上野へ行き、06:41発の常磐線快速に乗車。朝陽で軽やかに霞んだ風景の中、ビルや住宅の間から、どこも満開の桜が見え隠れする。
07:13、我孫子に到着。ここで成田線(我孫子線)に乗換えだ。我孫子発は07:27。ここまではロングシート車両だが、朝早めという事もあって、乗客は混んでも座席が8割埋まる程度。先週の東海道本線とは較べものにならないくらい、ゆったりとのどかに車内で過ごす。向かいの窓に広がる景色も見渡せるので、なおさら気分が良い。

JR111系-千葉ディステネーションキャンペーン
車両は
千葉ディステネーションキャンペーンの
特別ラッピング
成田到着は、08:10。ここでまた、08:18発の銚子行成田線(本線・佐松線(さまつせん))に乗換えだ。車両はセミクロスの111系。ようやく首都通勤圏を抜け、郊外へ旅に出た気分になる。
進行方向を確認しつつ、クロスシートの窓側へ腰を降ろす。成田駅周辺部を過ぎると、次第に畑が多くなり、展開するのは平地から湧き出したような小丘が点在する、いかにも房総らしい眺めだ。滑川駅から先は、利根川の南岸に沿うように単線の線路上をトコトコと進む。千葉は暖かい、という印象があるのだが、このあたりは南の半島部分とはやはり違って、都心より桜のほころび具合が遅れているようだ。赤土の畑では収穫前のキャベツの列が、地味豊かな緑を湛えて並び広がっている。
ひとつ手前の松岸駅で総武本線に合流し、09:49、銚子駅に到着。乗客の殆どは、降車したホームの突端でちんまり客待ちをしている銚子鉄道の1両編成車両へ慌てて移動する。
銚子駅前商店街のネコ日曜日の午前10時
駅前商店街は閑散としていた

銚子電鉄も利用する予定だが、その前に行くべき場所があるため、改札を通って駅前広場へ。徒歩で公正図書館へ向かう。
2階の郷土資料室で少々調べ物をした後、周辺を撮影。
そこから銚子電鉄の仲之町駅へ向かったのだが、みどり中央公園の脇を抜けると、行けども行けども醤油工場の敷地が続き、左折するべき角が判らないまま銚子電鉄の踏切へ行き着いてしまった。線路沿いの道が、駅まで続いているかも確認できない。仕方なく引き返すうちに、乗るべき電車がやってきて、行ってしまった。地図と現況を引き較べつつきょろきょろしていると、工場施設の隙間のような道路の奥に、小さく「仲之町駅」の表示が……
知らない人間には、どうしたって工場の一部にしか見えない。
次の目的地へは、30分ほど電車待ちをして笠上黒生(かさがみくろはえ)駅か西海鹿島(にしあしかじま)駅で下車後、15分ほどの歩き。先週の腰痛がまだだいぶ尾を引いているし、時間短縮の意味もあってタクシーを使う事にする。
「黒生(くろはえ)の、『一山いけす』さんまでお願いします」
掴まえたタクシーの運転士さんに告げて、県道244号線を東へ。「一山(いちやま)いけす」は、海鮮を素材にした料理で有名な店だ。
「今日あたりは、食べに来る人が大勢いて物凄く混んでるよ。お客さん、予約とかしてあるの?」
ハンドルを握りながら、運転士さんが柔らかな口調で問いかけてきた。
「いえ、実を言うと、目当てはお店ではなく、『お店の前にある石碑』なんです」
ちょうど昼にかかる時分だし、場合によってはそこで昼食を摂る事も視野に入れていたが、混んでいるなら無理に実行する必要も無い。運転士さんは、楽しそうに言葉を繋いだ。
「歴史とかの勉強でこの辺りを回る人も、結構多いよ。こないだ乗せたお客さんもそういう人で、地元の人間が知らない事まで詳しいの。こっちが教えられちゃうのよ」
タクシーは道なりに進んで、県道254号線へぶつかった。その先を右へ取れば、「一山いけす」の入口へ着く。
美嘉保丸殉難者の碑
潮風と雨にさらされて浸食が激しい
慶応4年8月20日、品川沖から北へ向けて出航した榎本武揚率いる旧幕府海軍2000人と艦船8隻。船出した翌日の悪天候で、艦隊内の輸送船・美嘉保丸が進路を見失って漂流。8月26日に、当地の岩礁に乗り上げて沈没した。
その際に死亡した13名の慰霊碑が、店正面の広い駐車場の一隅で、海を背にして立っている。

写真を撮りまくって一般道路との分岐まで歩くと、そこにある「とんび岩」バス停へ、本当にタイミングよく銚子駅-黒生-海鹿島循環の千葉交通バスがやって来た。これ幸いと飛び乗って、笠上黒生駅まで移動する。バス停から駅への道を近所の人に尋ね、住宅の間を縫うようにして駅へ。
笠上黒生駅01

笠上黒生駅02コンクリートの台形突起、といった風情のこじんまりしたホームに、築60年くらいの木造駅舎が、ぽつん、と、寄り添っていた。出札口も改札も懐かしさが溢れる風情で、この小さな鉄道路線には似つかわしいと思う。単線の上下線入替駅なので、線路を2本挟んでホームはふたつ。上下線の運転席が近付く形でずらして停車した車両の間へ、駅長さんがとことこ出て行ってタブレット交換をする。

12:49、笠上黒生発。民家とキャベツ畑の間を、1両編成の電車は横揺れしながら進む。陽気の良い日曜日という事もあり、乗車率は6割程度だ。
犬吠駅着、12:57。笠上黒生駅からは想像もつかない、南欧風の駅舎に驚く。改札を抜けたら、観光客と土産物等の販売員と観光協会の職員で、屋内はごった返している。
銚子電鉄車両

犬吠駅

鉄道事業再建資金を調達するための地元名物「ぬれ煎餅」販売は、TV等でも話題になった。他にも鉄道関連グッズや地酒、テーマソングCDなど、経営建て直しのためにさまざまな商品を展開中だ。
窮状が広く知られた途端、全国から支援の煎餅購入申し込みが殺到し、現在は受付を休止して発送に追われているという。経営も少しずつ上向いているそうで、めでたい事だ。直接、煎餅購入に訪れる人も増え、報道直後は付近の道路に渋滞まで発生したという。……って、電車に乗ってあげようよ。(笑)
地場の名産という事で、サンマの佃煮とイワシの佃煮を購入。袋に貼られたラベルや包装紙代わりの紙封筒は、インクジェットプリンターでカラー印刷したもの。素人っぽい手作り感が、懸命さを漂わせる。
「これから観光ですか?」
周辺地図のコピーを1枚貰ったら、観光協会の関係者らしいおとうさんが声を掛けてきた。
「犬吠埼灯台は、この道なりにほぼ直進です。それから、駅を挟んで反対側の……」
喋りながら、駅の壁に穿たれたアーチ型の窓へ招き寄せる。
「あの丘の上には、『地球の丸く見える丘展望館』があります。最初真っ直ぐ登ると道は右へ逸れていきますが、こちらは遠回り。信号渡ってふたつ先の角を左へ曲がって、お寺の手前をなめるように進む方が近いです。ほら、白いガードレールが見えますでしょう? あそこを通るんです」
「なるほど。キャベツ畑のほうへ行かずに、お寺の脇を左ですね」
「いや、左へ行っても、結局はキャベツ畑ばっかりになるんですけど」
どちらからともなく顔を見合わせて笑う。
礼を述べて、灯台方面へ歩き出す。灯台へ続く道を途中で逸れ、君ヶ浜公園に面したコーヒーハウスで昼食。看板メニューのピッツァと、ホットコーヒーを注文。13時を回っているが、あまり大きくない店内はほぼ満席状態だ。店の人も忙しくて、混乱しているのだろう。しばらく後、お待たせしました、と、なぜかおばちゃんがカレーライスを運んでくる。さらに待って、ようやく注文どおりのピッツァとご対面。料理はまあまあ並の味だが、窓から見える海の眺めが絶品である。難点は、海を見ていると窓際に座っている他の客から「何見てるのよ!」といわんばかりの視線で睨まれる事だ。何って、海を見ているんですがね、ええ。
食後のコーヒーは、薄くて残念。水分補給のためにも飲み干したかったが、隣席のご婦人が噴かす煙草の煙が全部こちらへ流れてきて、具合が悪くなりそうになり途中で席を立つ。

そこから歩いて、犬吠埼灯台へ。駐車場のナンバープレートを散見すると、遠方からの来訪者も多いようだ。灯台の上部、ランプハウス周縁で景色を楽しむ人達の姿が、本当に小さい。
犬吠埼灯台

灯台の脇から、君ヶ浜へ。
磯浜と砂浜が絶妙に組み合わされたここは、「君ヶ浜しおさい公園」として整備されている。
君ヶ浜から犬吠埼灯台
君ヶ浜から望んだ犬吠埼灯台


波打ち際に沿ってゆっくりめに約1km北上。湾曲した浜のちょうど中程で西へ方向を換え、県道254号線を横断して真っ直ぐ進むと、銚子電鉄君ヶ浜駅に行き当たる。
ここがまた、ぱっと見たところ、とても駅とは思えない。以前はイタリア風の白亜のゲートがあったそうだが、今年2月に老朽化を理由として撤去されてしまった。右手に自動販売機、左手に簡易トイレを控えた階段の上に、ブロック剥き出しの無残な柱だけが4本、取り残されている。
君ヶ浜駅

ベンチはあるが上屋はなく、待合室もない。薄日の射すうららかな春の日に訪れているからいいようなものの、台風のときなど、どうすればいいのだろう、と、余計な事を考えてしまう。
君ヶ浜駅ホームやがて、外川方向から銚子行の1両編成が登場。14:54、君ヶ浜駅発。
車内には、みっちり乗客が詰まっていた。経営難の銚子電鉄としては有難い事であろうが、犬吠崎まで来て山手線気分を味わうのは、些か間尺に合わない気もする。検札の車掌さんも大変そうだ。

銚子駅に、15:09到着。
暖かく晴れた平日に、もう1度ゆっくりと乗ってみたい路線であった。
銚子電鉄@銚子駅

10分の待ち合わせで、同じホームの延長上から成田線回りの千葉行が出る。乗ろうかとも思ったが、別路線を使うのも面白そうだと考え直し、15:47発の総武本線回り千葉行を使う事に決めた。待っていた位置が、たまたま先頭車両の最後尾ドア。トイレ前にふたつだけの、前向きの座席を確保する。
隣駅の松岸駅で成田線と別れた単線の線路は、左へとカーブを描いて丘陵へ突っ込む。雑木林と笹薮が、車両へ覆いかぶさるように繁っていた。僅かな空間には、田んぼが点在している。
成田線沿線は畑が主体だったのに。治水などの状況が、違うのだろうか。
倉橋駅を過ぎて少し進んだら、いきなり、スコン、と、風景が開けた。まっすぐな地平線の、上半分は総て空。はるか左手に伸びる九十九里浜から続く平地が、農地と住宅で埋め尽くされて眼下へ広がる中へ駆け降りる。やがて右手は丘陵地帯の辺縁部へと姿を変え、東金駅を越えた線路は大きく右へ回りこんで千葉の内陸を貫く。
17:30、千葉駅着。町も駅も乗降客も、すっかり都会の貌である。

銚子電気鉄道株式会社
〒288-0056 銚子市新生町2−297
TEL:0479-22-0316
http://www.choshi-dentetsu.jp/

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青春18きっぷ スタンプひとつめ

発足20周年記念で、JRが「青春18きっぷ」を特価販売した。通常11500円が、1枚8000円。
好機とばかりに購入し、強敵「ネンドマツ」をクリア後に乗り倒しを開始。……といっても、規格外の長距離移動とか、多数路線乗りまくり、などの切符利用重視ではなく、少々距離があって行きそびれていたところを、基本的に「日帰り」で訪れる算段である。
ご存知の向きも多いと思うが、「青春18きっぷ」は春・夏・冬の学校休暇シーズンに合わせた、販売・利用とも期間限定の切符である。今回の発売は、2007年2月20日〜3月31日。利用期間は2007年3月1日〜4月10日。期間中は、基本的に普通列車と快速列車に限り、5日間乗り放題(日付は連続していなくても可)。快速の普通指定席と、グリーン車自由席は別途その分の料金を支払えば乗車可能。
有人改札で日付スタンプを押してもらえば、日付が変わるまでどこまでも乗り放題。
おおまかな説明をすれば、そんな特殊切符である。
青春18きっぷ

3月25日。早朝に起きてみたが、窓外は暴風雨だった。
ネットで調べても、アメダス画像が強力な悪天候を予測させる。写真撮影ができなければ出かける意味が無いので、仕方なくもう一度寝床へ。再び目醒めると、昼から天気は持ち直す、という予報に変わっていた。それならば、目的地へ着く頃には何とかなるかも知れない。
時刻を確認し、カメラを掴んで叩きつける雨の中を駅へ急ぐ。
まずは、東京駅へ。
08:55発、東海道本線普通熱海行に飛び乗る。クロスシートのひと隅に腰を降ろして、乗継ぎ情報を確かめながら多摩川を渡り、横浜をすり抜ける。湘南へ出て大磯辺りまでくれば、天気次第で左手に海が見え始めるのだが、家並みの向こうは灰色に塗り潰され、どこまでが空でどこからが海なのかも判別できない。
小田原城を確認後、断続的にトンネルが始まる。湯河原駅を過ぎれば、早くも静岡県だ。
熱海着10:41。18分の待ち合わせで普通島田行へ乗り継ぎだが、洗面所へ寄ったために乗車待ち列の後方に付く羽目に陥った。ざっと見ても400人以上が待ち構える列車は、ロングシートの3両編成。
……全員乗り切れるのだろうか……
車内はかなりの混雑。どうにか座席端の握り棒へすがり付く。実はこの前日、突然椎間捻挫の激痛に襲われていたのだ。だましだまし歩けるようにはなっていたものの、揺れる車内で立ちっ放しはかなり堪える。湿布を貼りまくっているのだが、外見は健常者にしか見えないから、優先席で不調を訴えるのも憚られる。いや、それ以前に、優先席がある場所まで移動するのがツライのだ。
そんな状態なら、おとなしく家で寝ていればいいじゃないか、という声が聞こえてきそうである。
いや、まったくもってごもっとも。
草薙駅で目の前の乗客が降りるまでの68分、脂汗を流しながら過ごしてしまった。
12:42、島田駅到着。10分の待ち合わせで浜松行普通に乗り継ぎ。痛む腰をメキメキいわせながら、階段を降りて、昇って、入線ホームへ。興津始発の列車にはそこそこ乗客がいたが、乗車待ちの最前部にいたため何とか座席を確保。空はだいぶ明るくなってきたけれど、まだ時折パラパラと雨が落ちてくる。暗い雲の塊がどんどん東へ流れていった。
13:42、ようやく浜松駅。東京駅に着いてから、4時間が経過していた。

雨もあがり、駅前は活気に溢れている。せっかく浜松まで来たから美味しい鰻でも食べたいところだが、出発が遅かったため、現地で過ごせる時間は限られている。
「鰻屋で早くしろとは野暮なこと」
と、昔の人も言ってるじゃないか。本当に旨い鰻を食べるには、調理時間を待つ余裕が必要なのだ。
そんなわけで取り急ぎ、駅近くのラーメン屋で昼食を摂り、さっそく五社神社近くの住宅街まで歩く。
目標の建物をカメラに収め、お次は秋葉街道沿いにある寺院へ。
普通の状態ならばガンガン歩くのだが、腰の具合が具合なので、やむなくタクシーを頼んで移動した。
そしていつもながらの、墓捜し。(笑)
天候は上向き加減だが、まだまだ雲が多く、15時だというのに光量が不安になる。
存分に墓を撮影後、再びタクシーを頼んで浜松駅へ。
何やら、物凄く慌しい。

タクシー車内で、能登方面に大きな地震が発生した事を知る。ラジオニュースで、震源の深さが11kmに訂正されたとの報道を聞き、思わず
「断層地震かぁ」
と、呟いた。
「そうなんですか?」
とタクシーの運転士さんに訊かれ、地震の話が始まる。
浜松辺りはずいぶん以前から東海地震の危険性が叫ばれているため、地震に関しては他人事でない。
「台風と違って、予想や予報ができないから、厄介ですよね」
そう語った運転士さんの口調には、どことなく切実感があった。

16時少し前に、浜松駅到着。あまり寄り道もせず、早めに上り方向のホームへ。
待機列の先頭に立てたため、入線した3両編成ロングシート車の座席はしっかりと確保。発車時刻には、やはり車内が結構な混雑になった。
いろいろと運用の都合もあるだろうが、この編成は乗客にとってなかなか難儀である。往路の熱海―島田間も、この編成も、クロスシート中間車を2両くらい増結して丁度いいくらいではなかろうか。
すぐそばに年配のご婦人が立ったが、申し訳ない、腰がブチ壊れていて席を譲るのは無理です。(泣)
終点の熱海まで、座って乗り通せないと涙も枯れます。

16:17に浜松を発った普通列車は、18:44に熱海着。18:58発の東京行に乗換え。
今度はセミクロスシート車両だ。自分の目の前と通路を挟んだボックス席に外国人グループが陣取って、賑やかにお喋り。
途中の国府津で、湘南新宿ラインとの接続があった。そちらへ移れば少し早く帰宅できるが、何だか億劫で、そのまま東京駅へ向かう事にする。朝よりははるかに天気が良くなっているけれど、既に真っ暗で海の貌は見えない。
ガイドブックなど広げ、観光客風に見えた欧米系のグループは、何故か辻堂で下車。
その後もドアが開くたびに、それぞれの場所へ向かう乗降客が行き交う。
20:53、東京駅着。
自分の住処まで、もうひと頑張り。
東海道本線 東京―浜松 | トラックバック(1) | コメント(0) |permalink
会津田島駅「幻の駅弁」その後

過日TVを眺めたら、浅草から会津鉄道を走り、会津若松まで行く旅番組を放映していた。
この番組の解説によると、あの新宿京王駅弁大会に特別出品された「なかじま」の「煮込みソースカツ弁当」が、その後本当に会津田島駅の駅弁として取り扱われるようになったらしい。
ただし、土日祝日のみ。1日限定10個の販売である。以前の記事にも書いたが、採算を考えると至極妥当な形だ。
改札脇の売店のオバちゃんのコメントによれば、10時に売り出して30分で売り切れだそうな。乗換え検索してみると、ぎりぎり発売15分前に会津田島へ到着できる。う〜む……(コラコラ、ナニヲカンガエテイル!)

蛇足だが、TVの映像を見ても、本当にこの冬は積雪が少ない。
少し前にも、青森県つがる市で起きた事件の現場映像をTVで映していたけれど、雪が全然見当たらなかった。昨年来訪した折は、GWになってもあちこちに雪溜りが残っていたというのに。会津でも山間部にいくらか積っている程度で、大内宿の人も、会津若松の人も、多少年配者であるにもかかわらず
「こんなに雪の無い年は初めて」
と語っている。
やはり、確実に地球が温暖化している証左なのだろうか……。

蛇足ついでにもうひとつ。
乗換え情報サイト「えきから時刻表」が改装して、個人的にとても検索し易くなった。めでたい。
会津 | トラックバック(0) | コメント(0) |permalink
自走する釜飯
先の週末、冷え込んだのを幸い、花盛りの杉(^_^;)が山々を埋め尽くす奥多摩へ足を向けた。
朝出発し、青梅街道の旧道を少し辿って昼食後帰路につく、いつも(?)の強行軍とは打って変った小トレッキングだ。
青梅駅を過ぎた列車は、途端に急斜面の狭間を縫うようにうねうねと蛇行しながら進み始める。今が盛りの吉野梅郷へ向かう熟年グループが幾組みも、カメラの三脚を担ぎ日向和田駅で降りていく。素敵な酒造所のある沢井、山頂に御嶽神社を擁する御嶽山の入口となる御嶽駅を過ぎ、古里(こり)駅で下車。
空気は冷たいが、陽射しの明るい風景の中、あちこちで梅が咲き競っている。
国道411号線(青梅街道)を10分ほど西へ進み、分岐を左へ折れて旧街道にあたる細い道を行く。途中には、さすがに古い道筋らしく、地蔵や石塚などが散見できる。旧街道から左寄りに道を取って、「大多摩ウォーキングトレイル」と名づけられた、些か昇り降りの激しいハイキングコースを選び寸庭橋を渡る。両側に樹木が繁る北斜面は、一層ひんやりと寒気が滲んで、手がかじかみそうだ。
急傾斜を黙々と登り、小さな尾根筋へ出ると、やがて分岐が見える。今度は右へ取って再び川面へ近づく。橋を渡れば程なく鳩ノ巣駅だが、昼食のために途中をジグザグに降り、そば処の「一心亭」へ。手打の田舎そばが付いた、天麩羅定食(2100円)を賞味。
さて、ぼつぼつ帰ろうかと急坂を戻り、再び国道411号線へぶつかる。その地点で、物凄い看板と目が合った。
「釜めし駐車場」
薄茶色の地に黒々と、大きく書いてある。
道路向かいにある釜飯屋さんの専用駐車場だが、青梅街道を爆走してここへ停車する釜飯を想像し、腹を抱えて笑った。
看板の下には
「釜めし以外の駐車は、固くお断りいたします!」
という、但し書きまで添えてある。
釜が陶器製だと、バック入庫の際にぶつけたら欠けたり割れたりして大変だろうな、などと、しょうもない事を考えながら鳩ノ巣駅へ向かった。
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にわかファンの暴走半島
2007年2月3日〜2月12日の土日祝日に、内房線の木更津―館山間をSL D51-498が疾駆した。「千葉ディステネーションキャンペーン」と称するJR東日本千葉支社が中心となった催しの一環で、早春の観光シーズンに合わせた企画である。
驚いたのは、「にわか」鉄道ファンの傍若無人っぷり。(笑)
どう見てもイイ大人達がこぞって内房線へ詰め掛け、関係者以外の立ち入りが禁止されている軌道内へ平気で入り込んでカメラ類を振りかざす。中には線路へ寝そべってSLを待ち構えた60代のお父っつぁんもいて、SLは度々の緊急停止を余儀なくされた。違法駐車や、私有地への無断侵入は枚挙にいとまがない。JR関係者、警察、沿線住民の顰蹙かいまくり状態だったそうである。
D51-498には、昨秋、磐越西線の新津―会津若松間を往復で乗車した経験がある。磐越西線は春から秋にかけ、休日にはC57-180が運行されるため、SL慣れしているという考え方も可能ではあるけれど、昨年磐越西線をD51が走ったのはこの2日間限り。磐越西線においても、特別な事例であったかと思う。やはり途上の沿線ではカメラを構えるなどしてSLの到来を待ち受ける人々は多かった。しかし、内房線のように常軌を逸した行動をとる例は皆無だ。つくづく、内房線の騒ぎは尋常ではなかった。
SL D51-498←D51-498@新津駅

↓SL D51ばんえつ物語号ヘッドマーク
D51ばんえつ物語号ヘッドマーク

「千葉ディステネーションキャンペーン」には、この他、「リゾートしらかみ橅(ぶな)編成」、「特急あいづ」、「びゅうコースター風っこ」などが参集し、催事を盛り上げている。いずれも東北方面(D51-498は、高崎所属だが)からの助っ人達のため、一部では「房総出稼ぎ列車祭り」との声も。(笑)

そしてもうひとつ驚いたのは、びゅうコースター風っこ以外の来援車両すべてに、昨年乗車経験がある事だった。
これは近いうちに、びゅうコースターへも乗らねば不公平であろうか。(笑)
特急あいづ
特急あいづ@会津若松駅

寒さもそろそろ緩み始め、旅へ始動する人も増えてきたようだ。
参考までに、以下に磐越西線「SLばんえつ物語号」の運行日、時刻などの情報を掲載したページを挙げておこう。

SLばんえつ物語号 2007年運行情報
http://www.jrniigata.co.jp/070117banetuuntenbi.pdf
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Webサイト立ち上げ@会津バス
あの会津バスが、2007年2月1日付けで公式Webサイトを立ち上げた。
いよいよ、というか、ようやく、というか。(笑)
数日前に気付いて覗いてみたのだが、路線バス時刻や広域路線図等は、まだまだ工事中のところが多い。
それでいて、高速バスの時刻表はいち早くアップさせてあるところなど、いかにも会津バスである。(笑)
あちこち眺めていて、恐ろしい事実に気付く。
昨年の始め頃と年末に、合わせて20回近くも、公開前のこのサイトから当ブログへの訪問があったのだ。
イロイロ書いてるから、イロイロ読まれたんだろうなァ。きっと。

どうせ読まれているのなら、路線バスの時刻表は全停留所対応にして戴きたい、という要望をあげておく。あとは、バス停の位置案内だ。若松駅前などターミナル的な場所はもちろん、湯野上温泉駅〜大内宿線など、旅行者が判りづらい場所も案内して貰えれば有難いのだが。

1日も早く、便利で充実したWebサイトが完成する事を願ってやまない。

会津バス 会津乗合自動車株式会社
http://www.aizubus.com/
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磐越西線駅弁大会 第3回

最後に、SLの車内販売で購入した弁当を紹介しよう。
車両の一隅に設えられた売店へ出向き、好みの弁当を購入する。弁当は、SLにちなんだ名前の物ばかり。もっとも「それらしい」のは「磐越SL弁当」(1200円)だが、SL型の立体容器は、陶器でできているのだ。旅の途中で捨てるわけにもいかず、こんな重い物、どうしろというのか。
なので、もっと軽くて中身が詰まった品を選ぶ。

SLべんとう物語(930円)
「磐越SL弁当」と同じ、新潟三新軒(新津の三新軒とは、取り敢えず別会社)が調製。
SLべんとう物語-外

竹を編んで作った容器に白飯を詰め、その上に錦糸卵、ひじきの煮付け、アミの煮付け、菜の花と人参の煮付けを敷き、紅生姜(デカイ!)、貝の煮付け、エビフライ、鮭切り身の漬け焼を載せている。きっちりとビニールが敷いてあるため、容器の竹籠は帰宅後に使える。
SLべんとう物語-中


SL浪漫弁当(1000円)
こちらは、新津の三新軒が出している商品。
SL浪漫弁当-外

イクラが載ったちらし寿司に、越後名物笹団子付き。ちらし寿司は上品な味わいで、なかなかイケる。
SL浪漫弁当-中

この弁当、蓋の裏にSLのペーパークラフトが仕込んであった。旅の思い出を土産にするには、陶器製の器よりこちらの方が軽くて嬉しい。(笑)
SL浪漫弁当-ふた裏


SLばんえつ物語弁当(900円)
新津の弁当老舗、神尾弁当部の製品。コシヒカリで作った茶飯に、錦糸卵、鮭、ホタテ、イクラ、鶏肉、朱鷺の横顔入りかまぼこ(笑)、漬物が載り、野菜と椎茸の煮しめが添えてある。
SLばんえつ物語弁当-中

味も良く、値段を考えるとお得感のある充実ぶりだ。外装の紙枠には、正面から捉えた堂々たるC57-180の写真が使われている。
SLばんえつ物語弁当-外


おまけにもうひとつ。車内限定販売の、SLばんえつ物語ビールをご紹介。
SLばんえつ物語号の客車エンブレムをラベルにあしらったビールで、小瓶(330ml)のみ。
SLビール-全体SLビール-ラベル

中身は3種類ほどあるようだが、このとき販売していたのは「こしひかり仕込み」。麦芽とホップに、米を加えて醸造している。確かに旨いし、ビールは好みがそれぞれ別れる物だろうが、米のせいで味わいがもったり重たく感じる。麦芽とホップだけのビールを愛する人種には、いささか残念な内容だった。

最後になったが、1回の乗車で全部を平らげたわけではない事を、念のためにお断りしておく。(笑)

新潟三新軒(SLべんとう物語調製)
新潟県新潟市花園2-3-7
TEL:025-244-1252
http://www.niigata-sanshinken.co.jp/

三新軒(SL浪漫弁当調製)
新潟市新津本町1-2-43
TEL:0250-22-1111
FAX:0250-24-1818
http://www.sanshinken.co.jp/

神尾弁当部(SLばんえつ物語弁当調製)
新潟県新潟市新津本町1-1-1
TEL:0250-22-5511
http://www.bentou.net/

天朝閣 瓢湖屋敷の杜ブルワリー(SLばんえつ物語ビール製造販売)
新潟県阿賀野市金屋345-11
TEL:0250-63-2000
FAX:0250-63-1800
http://www.swanlake.co.jp/main/

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磐越西線駅弁大会 第2回

今回は、沿線駅で入手できる弁当のご案内。喜多方にも「ラーメン丼」という駅弁があるそうだが、残念ながら未だお目にかかった事はない。

山都そばSL弁当(700円)
山都駅ホームで、SL運行時のみ限定販売される。SLの到着時間直前に茹で上げた十割そばに、そばつゆと薬味、山菜が添えられたシンプルな弁当。20食しか出さないため、あっという間に売り切れるから、入手するには気合が必要。(笑)
山都そばSL弁当-外

山都駅停車前に、3号車の会津若松寄りデッキへ移動して待機。それで何とかGET!
山都そばSL弁当-中

そば好きには好評の逸品である。

朝陽館のとりめし(700円)日出谷のとりめし
日出谷駅前の旅館・朝陽館が、やはりSLの停車時間にのみホームで売り出す弁当。こちらも20食限定。白いご飯の上を、甘く味付けした鶏そぼろと煎り卵が、半分ずつびっしりと覆っている。ひじきの佃煮、胡瓜の漬物、濃い目の味に煮しめた人参と椎茸が少しずつ添えられ、デザートにパイナップルがひと切れ。
SL停車時には、冗談抜きで奪い合いになりかねない。奪取をもくろむのであれば、停車前に2号車会津若松寄りデッキで待機。ただし、同じ事を考えている乗客は多いから、早めに行かないと待機場所確保が難しいかも。(笑)

是が非でもホームで購入! というこだわりを捨てるなら、予約の上、自動車や列車で朝陽館へ受け取りに行けば、とりめしは確実に入手できる。

SL切符弁当(840円)
新津駅3番ホームで購入した弁当。外箱が切符のデザイン。雪だるま弁当で有名な新津駅の弁当店、三新軒の調製である。
新津駅到着までは、やはり新津の駅弁老舗、神尾弁当部の五目寿司が有力候補だったのだが、残念ながら新津駅にいる間、出会う事ができなかった。
さておき、SL切符弁当だ。
炊き込みのかしわ飯が主役。卵焼き、さつま揚げ、鱒切り身の塩焼き、漬物といったおかずが脇を固める。少ししょっぱめの田舎風な味付けが、地方線の雰囲気に合う。
SL切符弁当-外

「特等」、「ポイ捨て無効」といった券面(蓋)の表記を、楽しく眺めながら食べた。
SL切符弁当-中


山都町振興公社(山都そばSL弁当調製)
福島県喜多方市山都町字沢田3077-1
TEL:0241-38-3000

朝陽館(とりめし調製)
営業時間:9:00〜14:00頃 木曜日休
新潟県東蒲原郡鹿瀬町大字日出谷乙
TEL:02549-7-2017

三新軒(SL切符弁当調製)
新潟県新津市本町1-2-43
TEL:0250-22-1111
FAX:0250-24-1818
http://www.sanshinken.co.jp/

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磐越西線駅弁大会 第1回

少し前、新宿京王百貨店の駅弁大会に触れたが、その後の様子を見ていると、「駅弁」に興味を持つ人は結構多いようだ。
そこで僅かな画像を引っ張り出し、この場で「磐越西線駅弁大会」開催を試みる事にした。
一度にまとめると長くなるので、「会津若松駅編」、「沿線の駅売り編」、「SL車内販売編」に分ける。
まずは、会津若松駅で販売している駅弁達。

会津う米う米弁当(1000円)会津う米う米弁当-外
「う米う米」は、「うまいうまい」と読む。吉永小百合が、嬉しそうに車中でこの駅弁を広げるJR東日本のCMもあった。舞茸にぎり(喜多方市産コシヒカリ)、金ごまにぎり(金山町の大源流米コシヒカリ)、黒ごまにぎり(湯川村産コシヒカリ)、梅入りにぎり(会津若松市産ミルキークィーン)、おはぎ(河東町産のこがね餅米)の5種類の飯。じゅうねん味噌を載せた厚揚げ、地鶏卵の出汁巻、会津地鶏の唐揚げ、棒鱈の甘露煮、鰊と野菜の味噌和え、里芋の揚げ饅頭といった、会津らしさを活かしたおかずが付く。
ひとつひとつゆっくり噛み締めると、なるほど、米の味に違いがあるのが解る。
会津う米う米弁当-中


会津地鶏のチキンランチ(800円)会津地鶏のチキンランチ-外
会津地鶏と喜多方市産コシヒカリ、南会津南郷村のトマトジュースで作ったチキンライスに、地鶏唐揚げ、会津若松市産ジャガイモのきんぴら、同じジャガイモと同市産玉ネギの田舎コロッケ、北会津町産のフレッシュトマト、会津美里町(旧会津高田町)産の地鶏卵で拵えたスクランブルエッグが載る。洋風ランチボックス型の紙製容器に小振りな盛り付けは、女性客を意識しての事だろうか。
コシヒカリという米は、握り飯や洋食に合う。う米う米弁当と共に、その特性を良く活かした調製といえるだろう。
ただ、レタスとパセリ、肝心の地鶏がどこ産なのか、説明書きに無かったのが少々気になるのであった。(笑)
会津地鶏のチキンランチ-中


あいづふるさと弁当(950円)
ニシンの山椒漬、会津地鶏のやきとり、鮭の黒じゅうねん揚、棒鱈甘露煮、地鶏卵の出汁巻、厚揚げの味噌田楽、シシトウじゃこ炒め、牛肉のしぐれ煮、桜肉の柚子胡椒焼といったおかずが少しずつ詰め合わせになり、醤油味の焼きにぎり、味噌味の焼きにぎり、炊き込みご飯が添えられている。
そう、配分的には、ご飯が「添え物」の感じだ。
おかずが主役で色とりどりと来れば、これは呑むしかないでしょう。(笑)
あいづふるさと弁当


会津福福赤べこ弁当(1000円)
会津福々あかべこ弁当-外

紙製の赤べこ型外装が目を引く弁当。首の裏側に会津玩具の「小法師(こぼし)」を仕込んで重石代わりにし、本当に首を振る。肝心の弁当は胴体部分の正方形容器に入っていた。牛肉とゴボウのしぐれ煮、地鶏卵の出汁巻、椎茸の含め煮、紅生姜が、黒米飯の上に載る。シンプルだがしっかりした味付けで、なかなかイケる。ボリューム感に欠けるのが、残念なところか。
↓小法師(こぼし)会津福々あかべこ弁当-中
こぼし

会津若松駅の駅弁は、他に「会津健康奨励弁当」(950円)、「笹に黄金弁当」(1300円)といったラインナップ。いずれも「あいづふるさと市町村圏協議会」がプロデュースし、仁和食産が調製している。
駅改札脇のKIOSKで販売しているが、品薄気味で、売切れ状態の場合が多い。可能であれば、仁和食産に電話予約を入れ、駅のKIOSKで受け取る事をお薦めする。
予約は前日まで。2個以上注文(種類は違っても構わないようだ)。注文後のキャンセル不可。

株式会社 仁和食産
福島県会津若松市門田町大字日吉字対馬館85-1
TEL:0242-28-7718
FAX:0242-28-7743
E-mail:info@niwashokusan.com
http://www.niwashokusan.com/


☆ 追記
2008年1月をもって、仁和食産は若松駅での駅弁販売から撤退したそうだ。
ただし、電話で予約注文すれば若松駅で受け取る事は可能なようである。
ここに並べた弁当にご興味をお持ちの向きは、上記に電話してご相談される事をお奨めする。
2008/05/07
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どうする会津バス
会津バスは昨年10月1日より、新規路線での運行を開始した。
国県から補助を受けていた生活交通路線2系統を廃止、5系統を統廃合。
廃止2系統
   ・若松駅発坂下営業所行き(開津経由)
          →市が運行する北会津地域巡回バスで代替
   ・若松駅発田島駅前行き(新道・芦ノ牧経由)
          →運行経路を変更した循環芦ノ牧線が代替
新設路線
   ・市内5コース 1日8便
      駅前→米代→年貢→中野→運動公園前→漆器団地組合前→飯寺→
      高田橋→対馬館団地→湯川橋→竹田病院→神明→駅前
   ・市内6コース(5コースの逆) 1日6便
   ・北会津地域巡回バス(高田橋=北会津支所=蟹川) 1日3便
      駅前→中央公民館→竹田病院→湯川橋→高田橋→柏原→
      北会津支所→下荒井→舘→真宮北→蟹川→幕内東町→湯川橋→
      竹田病院→中央公民館→駅前
   ・北会津地域巡回バス(蟹川=北会津支所=高田橋)逆周り 1日3便

その他変更等
   ・飯盛山回りが 若松駅→一中前→蚕養神社前→会津短大南口→飯盛山下に
    経路変更
   ・猪苗代線と福良線を廃止し 強清水から戸の口原経由原長谷川前行きに変更
    (朝1便/原長谷川前→福良古町 夕1便/福良古町→原長谷川前が連絡)

ざっとこんな感じである。全体的に、運行本数も減っているようだ。
個人的な大打撃は、若松から直接福良へ行かれなくなり、本数も激減した事と、猪苗代行きが無くなって戸の口原の更に東、十六橋近くへ行かれる路線が消滅した事。
飯盛山回りの経路変更も、妙国寺へ行きづらくなったのが堪える。
10月1日から新しい時刻と路線がネット検索できるかと思っていたのだが、「会津バスナビ」は待てども待てども更新されず、ようやく1月も中旬に差し掛かる頃に時刻表が出揃った。ただし、路線図の方は若松市内しか更新されておらず、広域路線図は未だ古いいまま。市内路線図も拡大しようとクリックすれば、「ページが見つかりません」と表示される始末。
その上、この会津バスのWebサイト、聞いたところによると会津バスの公式ページではないらしい。今日びの公共交通機関が、自前のWebサイトも構えていないとは……
なかなか新情報が上がらないサイトに業をにやし、昨年11月末頃、会津若松駅前のバスターミナルを訪れた。通常配布している小冊子型の時刻表を入手すれば、廃止や変更路線も判ると思ったのである。
ところが窓口の職員さんは、まだ時刻表ができていないと言うのだ。時刻改定から、2ヶ月近くも経っているのに。
「営業努力」とは、高速バスを売り込む事だけではないはずだ。
地元客の自家用車利用率が増え、山間部の過疎化が進んでいるのは、確かにバス会社としては大きなダメージだろう。ならば、こまめな情報発信で地元以外からの集客を考えても良いのではないか。ただし、以前も書いたようにお決まりの現地ツアーバスではなく、多様化した旅行者の必要に応じた路線バスの充実こそが望ましい。土日祝日に減便するのも芳しくない傾向である。実際に、土日祝日減便に対する不満の声も耳にしている。むしろ、平日以外にこそ外来の客向けに増便すべきではないだろうか。特に若松市内は、観光で訪れる旅行者が多いのだ。小さな「はいからさん」で、ぐるぐる不要な場所まで連れ回されるより、目的の場所へ速やかに移動できる方が有難い場合も、少なくはないだろう。
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会津田島駅「幻の駅弁」と新宿京王駅弁大会

新宿京王百貨店の名物催事「元祖 有名駅弁と全国うまいもの大会」が、1月11日から始まった。このたびで42回を数えるという。
だいぶ以前から時折顔を出しているが、年々会場を目指す人出が増えている。あちこちのTV局が小特集など組んで次々と情報を繰り出しているのも来客数増加の一因だろうが、それにしても、何故これほどの人数が「駅弁」に集まるのか。興味深いところではある。

開催初日、閉店30分ほど前に会場へ行ってみた。
平日仕事を終えてからだと、どうしてもこの時間になってしまう。
さすがに多くの弁当店が「売切れ」の札を掲げ、在庫のあるところの殆どは、まだ行列が続いている。
目当ての弁当は、既に無い。
そこでまだ販売をしている店から岐阜県高山駅の駅弁屋を選び、「飛騨牛しぐれ寿司」1050円を購入。持ち帰って蓋を開けると、長方形の器に彩りよく具材が並んでいた。味わいも良好。しぐれ煮とたたき、2種類の牛肉も駅弁としては贅沢めの量。満足感と美味しさで、思った以上に箸が進んだ。

翌日。やはり同じくらいの時間に顔を出し、今度は長崎駅の「ながさき鯨カツ弁当」1050円を狙う。行列の最後尾に付くと、さらに3人並んだところで売切れ宣言が飛んできた。運よく、寸前で間に合ったらしい。
鯨カツが薄めなのは、素材が希少で高価なのだから致し方あるまい。カツの下に、錦糸卵と細切れ肉の煮つけを敷いてボリュームアップを図っている。白飯が容器の底に薄く敷いてある風情で、カツに染み込んだ辛目のソースを考えると、もうひとつ量が少ない気がした。内容に比して箱の高さがあるため、上部が妙にスカスカした印象で余計にそう感じる。

2日間とも本命に振られたため、今日こそは、と、日曜日の午前中に会場へ向かった。
到着したのは10時半頃。早くも、会場へ踏み込んだ途端気分が悪くなるくらいびっしりと、人、人、人……。会場内の数箇所に、休憩所兼駅弁即喰い用のベンチをたくさん並べた一画があるのだが、ここにも隙間無く人が座っている。わずかな空間を縫うように目当ての売場へ行くと、既に午前中の分は品切れ。正午頃、改めて整理券が出るという。仕方なく一旦会場を離れて他の買物等を済ませ、改めて正午直前に行ってみた。文章にするとどうという事もない話のようだが、とにかく物凄い人数が無秩序に動き回っている場所である。突入・離脱ともに、何度も繰り返したくはない。
やっと貰えた整理券には、受取時間13時〜14時と記してあった。更に1時間、他の用事で時間を埋める。
13時ちょうど。ようやく「煮込みソースかつ弁当」1000円を入手。できたての弁当を提げ、大急ぎで帰宅した。
この弁当、「会津鉄道会津田島駅の駅弁」として紹介されているのだが、実は会津田島駅で「煮込みソースかつ弁当」は販売していない。駅売りの弁当は、秋期限定の「まつたけ二段弁当」以外は、コンビニの売れ残りみたいな代物ばかり。駅弁とはとても呼べない。野岩鉄道〜会津鉄道ルートには、通年売りの名物駅弁は存在しないのだ (ただし指定列車で、仕出し弁当屋が調製した弁当を車内受取する事は可能) 。
長方形の小振りな蓋を取ると、白飯の上をきっちり覆うようにカツの卵とじ。数粒のグリンピースが彩りに載っている。小さな紙カップがふたつ隅に添えられ、片方には煮豆、残った方には漬物が数切れ。一見どこにでもあるカツ丼弁当だが、名前の通り、このカツは特別に調製したソース煮込みだ。少々辛目のソースでしっとりした揚げ衣と玉葱の薄切りが、白飯の味を倍加させる。豚肉も、そこそこ厚みがあって上等だ。堪能、堪能。何度も足を運んだ甲斐があった。
食べ終えて、ふと考える。
「煮込みソースかつ弁当」は、今回の駅弁大会用に製造されたイレギュラー弁当で、細かい話をすれば「有名駅弁」ではなく「全国うまいもの」の方に分類される品だが、いっその事、これを機会に実際の「名物駅弁」にしてしまうのはどうだろう。
問題は、冷め切っても美味しく食べられるか、普段は乗降客の少ないローカル線で販売利益がどの程度見込めるか、という点だ。……後者は、難しいかな……。

本日より、新宿京王百貨店の「駅弁大会」は後半戦に入った。
部分的に販売物の入れ替えもあり、更なる集客が予想される。
もう、あの混雑はこりごりなのだが……
……今日から販売の山陽新幹線新神戸駅「豚々拍子」980円……ちょっとそそられる(笑)

会津鉄道
   http://www.aizutetsudo.jp/
会津鉄道・弁当案内
   http://www.aizutetsudo.jp/benntou.htm
なかじま(煮込みソースかつ弁当調製)
   http://www.nakajima-aizu.biz-web.jp/14.html
金亀館(飛騨牛しぐれ寿司調製)
   http://www15.ocn.ne.jp/~kinkikan/index.html
くらさき(ながさき鯨カツ弁当調製)
   http://www.kujira-shop.jp/

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江戸文化歴史検定の不適切

昨秋、「江戸文化歴史検定」なるものが実施された。
いわゆる「ご当地検定」のひとつに位置づけられるが、この「江戸」が、「地域」だけではなく「時代」をも表しているという曖昧な設定で、試験範囲は「江戸市中」に限らないところが特徴である。
申込締切ギリギリまで迷っていたけれど、どのような問題が出るのか、という興味で2級と3級を受験する事にした。第1回にあたるこの回は2級と3級の検定のみ。1級の検定は、2回目以降に実施される。
大江戸見聞録
設問は、四者択一のマークシート方式で100問。1問1点の100点満点で、70点以上が合格。主催者の一翼を担う小学館が公式テキスト『大江戸見聞録』なる本を発行し、3級の80%、2級の50%がこの中から出題されるという、抱き合わせ商法を展開した。(笑)
しかもこの「公式テキスト」、あちこちに誤記がある。後日Webサイトに正誤表が掲載されたが、それでも全てが正されていないところが何とも情けない。







ビジュアルNIPPON 江戸時代更には、検定の半月ほど前にA4判で4410円もする「副読本」を発売。つられて飛び付いた受験生も、少なからず存在するだろう。

ともあれ2006年11月3日。検定会場の青山学院大学へ赴いた。受験申し込み者数が主催者側の予想を遙かに上回ったらしく、急遽専修大学へ設置した第2会場へ3級のみ受験の1000名が振り分けられたが、残り約6000名が朝の青山へ集まる。校門を潜ると、大学受験さながらに試験会場が貼り出され、案内看板と誘導の係員がそこここに立つ、なかなか「それらしい」雰囲気が溢れていた。予想通り団塊世代の男性が多いが、小学生や和服姿の若い女性もちらほら。指定された教室には、印半纏を羽織ったイナセな親方の姿もあった。
総じて高い年齢層が受験生の中心なせいか、説明書き等があってもマークシートの記入方式に不慣れな人が多く、混乱も生じていたようだ。答案記入を済ませて退室する際、たまたま目に入った隣席の50代とおぼしきご婦人は、塗り潰す場所を総て丸印で囲っていた。あれで終了ギリギリの提出だと、やり直す暇もなくて、知識が有っても点が取れないという結果になるのだろうか……。

ベンチ式の机と椅子に、ひとつおきで受験番号が貼られ、黒板には区画毎の番号表記。いささか緊張気味に、自分の番号を示す席に就く。午前の90分が3級、午後90分が2級の検定だが、両方受検する者は午前も午後も同じ席になる。
試験前の説明があり、開始の合図で一斉に冊子状の問題用紙が広げられた。

何問か進めるうちに、あれ? と、首を傾げる。
問題文が、おかしいのだ。
もちろんまともな設問の方が多いのだが、ところどころに妙なのが混じっている。

その1.内容が曖昧なもの

「ひっかけ」問題というより、複数の答が該当するような、「どっちつかず」の表記をしている問題。
例えば「町入用(各町の維持運営費)を負担していたのは誰か」
町入用の支出を義務づけられていたのは地主(オーナー)だが、多くの場合実質的な経理運用に携わっていたのは大家(家守・管理人)である。どちらを答として求めているのか、この問題文では判然としない。

その2.問題文の表現に間違いがあるもの

例えば、長屋の店賃(家賃)が1年分でいくらになるか計算する問題で
「うるう年ではない」という条件が表記されているが、江戸時代に「うるう年」は存在しない。明らかに「うるう月の無い年」の誤りだ。
また、細かい話だが、「会津」は「あいず」ではなく、「あいづ」である。図書館で項目検索してるんぢゃないんだから。(笑)

その3.問題文が不適切なもの

「長崎出島の面積は、東京ドーム何個分か?」
確かに「公式テキスト」には表記があったが、未購入の受験者も皆無とは言い切れまい。長崎出島の面積を知っていても、東京ドームの面積が判らなければお手上げである。江戸の勉強に東京ドームの面積が必須知識というのは如何なものだろうか。
それとも、小学館を儲けさせない受験生には点を取らせないという話か?

その4.問題文の内容に間違いがあるもの

これが最もタチが悪い。

「戊辰戦争……、飯盛山の戦いで……」戊辰戦争の際、飯盛山で「戦闘行為」はなかった。

「京から帰還した新撰組が宿泊したことでも知られる『土蔵相模』……」江戸へ帰還した新選組が品川で投宿したのは、「釜屋」である。

「横浜は……幕末に「開港場」として開発された町ですが……町の中心にある施設を設置しました……」
この設問の解答が「遊郭」だという。しかし、開港当時に「港崎遊郭」が設置されたのは開港場に南隣する太田屋新田の中ほどであり、中心どころか、開港場の範囲内ですらなかった。

史実に反するデタラメを並べて、何が「検定試験」だ。味噌汁でツラぁ洗って出直して来い! べらぼうめ!


この有様を予測してか知らずか、主催側は設問に関する意見や問い合わせを「一切受付けません」という態度を堅持している。
「江戸」の定義の曖昧さ、公式テキストの誤記も含め、まず主催する側、問題作成の担当者達の、日本語の表現力と江戸に関する知識をきっちり検定した方が良いだろう。

12月下旬に入って、2級3級共に合格通知が来た。……が、設問がこの状態の検定試験に受かっても、喜ばしい気持ちにはなれないのだ。

年末には、『江戸吟味問答控』と称する出題の公式解説集が2級3級それぞれに発行された。果たしてどのような「解説」がなされているのだろう。見るのがコワくて、未だ手にしてはいない。(笑)
江戸吟味問答手控-2級江戸吟味問答手控-3級

今秋には、第2回目が開催されるのだろうが、それまでに、問題作成者はぜひ「正しい」設問作りができるよう、精進して戴きたいものである。

……1級受験、どうしようかなァ……
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土湯温泉の会津道

横向温泉方面から土湯峠を野地温泉側へ越え、野地温泉ホテルで休憩しつつ福島駅行きのバスを待って土湯温泉へ出るのが当初の予定だったが、雪に阻まれて振出へ戻る事になってしまった。
仕方なく「森の旅亭 マウント磐梯」から電話をかけ、タクシーを呼ぶ。連休中でタクシーも需要が多いため、小1時間待ってくれという返事だった。すぐに来て貰えるなら野地温泉でバスに乗換えできるが、それだけ待たされると連絡が取れなくなる可能性が大きい。11時前に野地温泉を発車するバスを逃したら、次は15時頃の1便があるだけだ。腹を括って、土湯温泉まで走って貰う事にする。
「マウント磐梯」の土産売場で買物などして時間を潰す。40分ほど経った頃、タクシーがやって来た。さっそく乗り込み、今度は「県道30号線の土湯峠」を越える。うねうねと続く自動車道は、沼尻と横向温泉の間で分岐して土湯トンネルを潜った国道115号線と再び合流。車はどんどん高度を下げていく。
土湯温泉の中心部、観光案内所前で下車し、以前は反対側から辿った太子堂への道を進む。前年の秋に来訪した際に、カメラの調子が急に狂って撮影ができなかった場所だ。
太子堂の入口へ差し掛かると、ほんの2時間ほど前にあれだけ残雪で苦労させられたのが嘘のように、桜が咲き誇っていた。土湯温泉の花盛り

参道に当たる階段と並ぶように走る道が、土湯温泉における福島街道の会津側出入口になる。
福島街道(会津道)入口@土湯

登り始めたほんの少し上に、福島街道(土湯のお年寄は「会津道」と呼んでいる)の説明文を記した木標が建つ。
福島街道(会津道)木標1
福島街道(会津道)木標2

山神社のたもとを抜け、薬師こけし堂の境内へ。道はここから急斜面を這い上がる山道となって、上へ上へ伸びていく。
福島街道(会津道)登り口

少し踏み込んでみると、あっという間にこけし堂が遙かな足元へ遠ざかった。
福島街道(会津道)

地形図を見た限りでは福島街道そのものを歩き通すのは不可能なようだし、地元の方から聞いたところによると、近年は整備の手も入っていないらしい。それでもこのあたりはまだまだ歩くのに不自由を感じないため、うっかりするとこの馬鹿は、せっかくタクシーを使って降りてきた道程をまたどこまでも登り返してしまいそうである。早々に思い切り、こけし堂の境内へ戻った。
エンレイソウキクザキイチゲ
エンレイソウキクザキイチゲ

今回は撮影も滞りなく済ませ、再び温泉街の中心へ。正午少し前なので、昼食を摂ってバスを待つ事にする。通りがかりの店をいくつか覗いた末、「味工房 ひさご」という蕎麦屋の暖簾を潜った。
冷たいつゆと温かいつゆの蕎麦十数種と釜揚げうどんが、メニューに並んでいる。季節物の山菜てんぷらに心を惹かれたが、結局温かいつゆの鴨つけそばを注文。値段の割に蕎麦が少なめな気もしたが、味は悪くない。
鴨つけ蕎麦
1100円
鴨せいろ

ただ、これから混み合うのを予想して焦ったのかも知れないが、洗面所へ立った隙に器類を一切合財片付けられてしまったのには参った。飲み易くなるよう、わざわざお茶を残して冷ましておいたのに……

時間はかなりあったが、食後はそのまま観光案内所前のバス停へ。13時15分発福島駅行きのバスに乗り、土湯温泉を後にした。
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