旅つむぎ

旅人の雑感
会津田島駅「幻の駅弁」その後

過日TVを眺めたら、浅草から会津鉄道を走り、会津若松まで行く旅番組を放映していた。
この番組の解説によると、あの新宿京王駅弁大会に特別出品された「なかじま」の「煮込みソースカツ弁当」が、その後本当に会津田島駅の駅弁として取り扱われるようになったらしい。
ただし、土日祝日のみ。1日限定10個の販売である。以前の記事にも書いたが、採算を考えると至極妥当な形だ。
改札脇の売店のオバちゃんのコメントによれば、10時に売り出して30分で売り切れだそうな。乗換え検索してみると、ぎりぎり発売15分前に会津田島へ到着できる。う〜む……(コラコラ、ナニヲカンガエテイル!)

蛇足だが、TVの映像を見ても、本当にこの冬は積雪が少ない。
少し前にも、青森県つがる市で起きた事件の現場映像をTVで映していたけれど、雪が全然見当たらなかった。昨年来訪した折は、GWになってもあちこちに雪溜りが残っていたというのに。会津でも山間部にいくらか積っている程度で、大内宿の人も、会津若松の人も、多少年配者であるにもかかわらず
「こんなに雪の無い年は初めて」
と語っている。
やはり、確実に地球が温暖化している証左なのだろうか……。

蛇足ついでにもうひとつ。
乗換え情報サイト「えきから時刻表」が改装して、個人的にとても検索し易くなった。めでたい。
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自走する釜飯
先の週末、冷え込んだのを幸い、花盛りの杉(^_^;)が山々を埋め尽くす奥多摩へ足を向けた。
朝出発し、青梅街道の旧道を少し辿って昼食後帰路につく、いつも(?)の強行軍とは打って変った小トレッキングだ。
青梅駅を過ぎた列車は、途端に急斜面の狭間を縫うようにうねうねと蛇行しながら進み始める。今が盛りの吉野梅郷へ向かう熟年グループが幾組みも、カメラの三脚を担ぎ日向和田駅で降りていく。素敵な酒造所のある沢井、山頂に御嶽神社を擁する御嶽山の入口となる御嶽駅を過ぎ、古里(こり)駅で下車。
空気は冷たいが、陽射しの明るい風景の中、あちこちで梅が咲き競っている。
国道411号線(青梅街道)を10分ほど西へ進み、分岐を左へ折れて旧街道にあたる細い道を行く。途中には、さすがに古い道筋らしく、地蔵や石塚などが散見できる。旧街道から左寄りに道を取って、「大多摩ウォーキングトレイル」と名づけられた、些か昇り降りの激しいハイキングコースを選び寸庭橋を渡る。両側に樹木が繁る北斜面は、一層ひんやりと寒気が滲んで、手がかじかみそうだ。
急傾斜を黙々と登り、小さな尾根筋へ出ると、やがて分岐が見える。今度は右へ取って再び川面へ近づく。橋を渡れば程なく鳩ノ巣駅だが、昼食のために途中をジグザグに降り、そば処の「一心亭」へ。手打の田舎そばが付いた、天麩羅定食(2100円)を賞味。
さて、ぼつぼつ帰ろうかと急坂を戻り、再び国道411号線へぶつかる。その地点で、物凄い看板と目が合った。
「釜めし駐車場」
薄茶色の地に黒々と、大きく書いてある。
道路向かいにある釜飯屋さんの専用駐車場だが、青梅街道を爆走してここへ停車する釜飯を想像し、腹を抱えて笑った。
看板の下には
「釜めし以外の駐車は、固くお断りいたします!」
という、但し書きまで添えてある。
釜が陶器製だと、バック入庫の際にぶつけたら欠けたり割れたりして大変だろうな、などと、しょうもない事を考えながら鳩ノ巣駅へ向かった。
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にわかファンの暴走半島
2007年2月3日〜2月12日の土日祝日に、内房線の木更津―館山間をSL D51-498が疾駆した。「千葉ディステネーションキャンペーン」と称するJR東日本千葉支社が中心となった催しの一環で、早春の観光シーズンに合わせた企画である。
驚いたのは、「にわか」鉄道ファンの傍若無人っぷり。(笑)
どう見てもイイ大人達がこぞって内房線へ詰め掛け、関係者以外の立ち入りが禁止されている軌道内へ平気で入り込んでカメラ類を振りかざす。中には線路へ寝そべってSLを待ち構えた60代のお父っつぁんもいて、SLは度々の緊急停止を余儀なくされた。違法駐車や、私有地への無断侵入は枚挙にいとまがない。JR関係者、警察、沿線住民の顰蹙かいまくり状態だったそうである。
D51-498には、昨秋、磐越西線の新津―会津若松間を往復で乗車した経験がある。磐越西線は春から秋にかけ、休日にはC57-180が運行されるため、SL慣れしているという考え方も可能ではあるけれど、昨年磐越西線をD51が走ったのはこの2日間限り。磐越西線においても、特別な事例であったかと思う。やはり途上の沿線ではカメラを構えるなどしてSLの到来を待ち受ける人々は多かった。しかし、内房線のように常軌を逸した行動をとる例は皆無だ。つくづく、内房線の騒ぎは尋常ではなかった。
SL D51-498←D51-498@新津駅

↓SL D51ばんえつ物語号ヘッドマーク
D51ばんえつ物語号ヘッドマーク

「千葉ディステネーションキャンペーン」には、この他、「リゾートしらかみ橅(ぶな)編成」、「特急あいづ」、「びゅうコースター風っこ」などが参集し、催事を盛り上げている。いずれも東北方面(D51-498は、高崎所属だが)からの助っ人達のため、一部では「房総出稼ぎ列車祭り」との声も。(笑)

そしてもうひとつ驚いたのは、びゅうコースター風っこ以外の来援車両すべてに、昨年乗車経験がある事だった。
これは近いうちに、びゅうコースターへも乗らねば不公平であろうか。(笑)
特急あいづ
特急あいづ@会津若松駅

寒さもそろそろ緩み始め、旅へ始動する人も増えてきたようだ。
参考までに、以下に磐越西線「SLばんえつ物語号」の運行日、時刻などの情報を掲載したページを挙げておこう。

SLばんえつ物語号 2007年運行情報
http://www.jrniigata.co.jp/070117banetuuntenbi.pdf
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Webサイト立ち上げ@会津バス
あの会津バスが、2007年2月1日付けで公式Webサイトを立ち上げた。
いよいよ、というか、ようやく、というか。(笑)
数日前に気付いて覗いてみたのだが、路線バス時刻や広域路線図等は、まだまだ工事中のところが多い。
それでいて、高速バスの時刻表はいち早くアップさせてあるところなど、いかにも会津バスである。(笑)
あちこち眺めていて、恐ろしい事実に気付く。
昨年の始め頃と年末に、合わせて20回近くも、公開前のこのサイトから当ブログへの訪問があったのだ。
イロイロ書いてるから、イロイロ読まれたんだろうなァ。きっと。

どうせ読まれているのなら、路線バスの時刻表は全停留所対応にして戴きたい、という要望をあげておく。あとは、バス停の位置案内だ。若松駅前などターミナル的な場所はもちろん、湯野上温泉駅〜大内宿線など、旅行者が判りづらい場所も案内して貰えれば有難いのだが。

1日も早く、便利で充実したWebサイトが完成する事を願ってやまない。

会津バス 会津乗合自動車株式会社
http://www.aizubus.com/
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磐越西線駅弁大会 第3回

最後に、SLの車内販売で購入した弁当を紹介しよう。
車両の一隅に設えられた売店へ出向き、好みの弁当を購入する。弁当は、SLにちなんだ名前の物ばかり。もっとも「それらしい」のは「磐越SL弁当」(1200円)だが、SL型の立体容器は、陶器でできているのだ。旅の途中で捨てるわけにもいかず、こんな重い物、どうしろというのか。
なので、もっと軽くて中身が詰まった品を選ぶ。

SLべんとう物語(930円)
「磐越SL弁当」と同じ、新潟三新軒(新津の三新軒とは、取り敢えず別会社)が調製。
SLべんとう物語-外

竹を編んで作った容器に白飯を詰め、その上に錦糸卵、ひじきの煮付け、アミの煮付け、菜の花と人参の煮付けを敷き、紅生姜(デカイ!)、貝の煮付け、エビフライ、鮭切り身の漬け焼を載せている。きっちりとビニールが敷いてあるため、容器の竹籠は帰宅後に使える。
SLべんとう物語-中


SL浪漫弁当(1000円)
こちらは、新津の三新軒が出している商品。
SL浪漫弁当-外

イクラが載ったちらし寿司に、越後名物笹団子付き。ちらし寿司は上品な味わいで、なかなかイケる。
SL浪漫弁当-中

この弁当、蓋の裏にSLのペーパークラフトが仕込んであった。旅の思い出を土産にするには、陶器製の器よりこちらの方が軽くて嬉しい。(笑)
SL浪漫弁当-ふた裏


SLばんえつ物語弁当(900円)
新津の弁当老舗、神尾弁当部の製品。コシヒカリで作った茶飯に、錦糸卵、鮭、ホタテ、イクラ、鶏肉、朱鷺の横顔入りかまぼこ(笑)、漬物が載り、野菜と椎茸の煮しめが添えてある。
SLばんえつ物語弁当-中

味も良く、値段を考えるとお得感のある充実ぶりだ。外装の紙枠には、正面から捉えた堂々たるC57-180の写真が使われている。
SLばんえつ物語弁当-外


おまけにもうひとつ。車内限定販売の、SLばんえつ物語ビールをご紹介。
SLばんえつ物語号の客車エンブレムをラベルにあしらったビールで、小瓶(330ml)のみ。
SLビール-全体SLビール-ラベル

中身は3種類ほどあるようだが、このとき販売していたのは「こしひかり仕込み」。麦芽とホップに、米を加えて醸造している。確かに旨いし、ビールは好みがそれぞれ別れる物だろうが、米のせいで味わいがもったり重たく感じる。麦芽とホップだけのビールを愛する人種には、いささか残念な内容だった。

最後になったが、1回の乗車で全部を平らげたわけではない事を、念のためにお断りしておく。(笑)

新潟三新軒(SLべんとう物語調製)
新潟県新潟市花園2-3-7
TEL:025-244-1252
http://www.niigata-sanshinken.co.jp/

三新軒(SL浪漫弁当調製)
新潟市新津本町1-2-43
TEL:0250-22-1111
FAX:0250-24-1818
http://www.sanshinken.co.jp/

神尾弁当部(SLばんえつ物語弁当調製)
新潟県新潟市新津本町1-1-1
TEL:0250-22-5511
http://www.bentou.net/

天朝閣 瓢湖屋敷の杜ブルワリー(SLばんえつ物語ビール製造販売)
新潟県阿賀野市金屋345-11
TEL:0250-63-2000
FAX:0250-63-1800
http://www.swanlake.co.jp/main/

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磐越西線駅弁大会 第2回

今回は、沿線駅で入手できる弁当のご案内。喜多方にも「ラーメン丼」という駅弁があるそうだが、残念ながら未だお目にかかった事はない。

山都そばSL弁当(700円)
山都駅ホームで、SL運行時のみ限定販売される。SLの到着時間直前に茹で上げた十割そばに、そばつゆと薬味、山菜が添えられたシンプルな弁当。20食しか出さないため、あっという間に売り切れるから、入手するには気合が必要。(笑)
山都そばSL弁当-外

山都駅停車前に、3号車の会津若松寄りデッキへ移動して待機。それで何とかGET!
山都そばSL弁当-中

そば好きには好評の逸品である。

朝陽館のとりめし(700円)日出谷のとりめし
日出谷駅前の旅館・朝陽館が、やはりSLの停車時間にのみホームで売り出す弁当。こちらも20食限定。白いご飯の上を、甘く味付けした鶏そぼろと煎り卵が、半分ずつびっしりと覆っている。ひじきの佃煮、胡瓜の漬物、濃い目の味に煮しめた人参と椎茸が少しずつ添えられ、デザートにパイナップルがひと切れ。
SL停車時には、冗談抜きで奪い合いになりかねない。奪取をもくろむのであれば、停車前に2号車会津若松寄りデッキで待機。ただし、同じ事を考えている乗客は多いから、早めに行かないと待機場所確保が難しいかも。(笑)

是が非でもホームで購入! というこだわりを捨てるなら、予約の上、自動車や列車で朝陽館へ受け取りに行けば、とりめしは確実に入手できる。

SL切符弁当(840円)
新津駅3番ホームで購入した弁当。外箱が切符のデザイン。雪だるま弁当で有名な新津駅の弁当店、三新軒の調製である。
新津駅到着までは、やはり新津の駅弁老舗、神尾弁当部の五目寿司が有力候補だったのだが、残念ながら新津駅にいる間、出会う事ができなかった。
さておき、SL切符弁当だ。
炊き込みのかしわ飯が主役。卵焼き、さつま揚げ、鱒切り身の塩焼き、漬物といったおかずが脇を固める。少ししょっぱめの田舎風な味付けが、地方線の雰囲気に合う。
SL切符弁当-外

「特等」、「ポイ捨て無効」といった券面(蓋)の表記を、楽しく眺めながら食べた。
SL切符弁当-中


山都町振興公社(山都そばSL弁当調製)
福島県喜多方市山都町字沢田3077-1
TEL:0241-38-3000

朝陽館(とりめし調製)
営業時間:9:00〜14:00頃 木曜日休
新潟県東蒲原郡鹿瀬町大字日出谷乙
TEL:02549-7-2017

三新軒(SL切符弁当調製)
新潟県新津市本町1-2-43
TEL:0250-22-1111
FAX:0250-24-1818
http://www.sanshinken.co.jp/

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磐越西線駅弁大会 第1回

少し前、新宿京王百貨店の駅弁大会に触れたが、その後の様子を見ていると、「駅弁」に興味を持つ人は結構多いようだ。
そこで僅かな画像を引っ張り出し、この場で「磐越西線駅弁大会」開催を試みる事にした。
一度にまとめると長くなるので、「会津若松駅編」、「沿線の駅売り編」、「SL車内販売編」に分ける。
まずは、会津若松駅で販売している駅弁達。

会津う米う米弁当(1000円)会津う米う米弁当-外
「う米う米」は、「うまいうまい」と読む。吉永小百合が、嬉しそうに車中でこの駅弁を広げるJR東日本のCMもあった。舞茸にぎり(喜多方市産コシヒカリ)、金ごまにぎり(金山町の大源流米コシヒカリ)、黒ごまにぎり(湯川村産コシヒカリ)、梅入りにぎり(会津若松市産ミルキークィーン)、おはぎ(河東町産のこがね餅米)の5種類の飯。じゅうねん味噌を載せた厚揚げ、地鶏卵の出汁巻、会津地鶏の唐揚げ、棒鱈の甘露煮、鰊と野菜の味噌和え、里芋の揚げ饅頭といった、会津らしさを活かしたおかずが付く。
ひとつひとつゆっくり噛み締めると、なるほど、米の味に違いがあるのが解る。
会津う米う米弁当-中


会津地鶏のチキンランチ(800円)会津地鶏のチキンランチ-外
会津地鶏と喜多方市産コシヒカリ、南会津南郷村のトマトジュースで作ったチキンライスに、地鶏唐揚げ、会津若松市産ジャガイモのきんぴら、同じジャガイモと同市産玉ネギの田舎コロッケ、北会津町産のフレッシュトマト、会津美里町(旧会津高田町)産の地鶏卵で拵えたスクランブルエッグが載る。洋風ランチボックス型の紙製容器に小振りな盛り付けは、女性客を意識しての事だろうか。
コシヒカリという米は、握り飯や洋食に合う。う米う米弁当と共に、その特性を良く活かした調製といえるだろう。
ただ、レタスとパセリ、肝心の地鶏がどこ産なのか、説明書きに無かったのが少々気になるのであった。(笑)
会津地鶏のチキンランチ-中


あいづふるさと弁当(950円)
ニシンの山椒漬、会津地鶏のやきとり、鮭の黒じゅうねん揚、棒鱈甘露煮、地鶏卵の出汁巻、厚揚げの味噌田楽、シシトウじゃこ炒め、牛肉のしぐれ煮、桜肉の柚子胡椒焼といったおかずが少しずつ詰め合わせになり、醤油味の焼きにぎり、味噌味の焼きにぎり、炊き込みご飯が添えられている。
そう、配分的には、ご飯が「添え物」の感じだ。
おかずが主役で色とりどりと来れば、これは呑むしかないでしょう。(笑)
あいづふるさと弁当


会津福福赤べこ弁当(1000円)
会津福々あかべこ弁当-外

紙製の赤べこ型外装が目を引く弁当。首の裏側に会津玩具の「小法師(こぼし)」を仕込んで重石代わりにし、本当に首を振る。肝心の弁当は胴体部分の正方形容器に入っていた。牛肉とゴボウのしぐれ煮、地鶏卵の出汁巻、椎茸の含め煮、紅生姜が、黒米飯の上に載る。シンプルだがしっかりした味付けで、なかなかイケる。ボリューム感に欠けるのが、残念なところか。
↓小法師(こぼし)会津福々あかべこ弁当-中
こぼし

会津若松駅の駅弁は、他に「会津健康奨励弁当」(950円)、「笹に黄金弁当」(1300円)といったラインナップ。いずれも「あいづふるさと市町村圏協議会」がプロデュースし、仁和食産が調製している。
駅改札脇のKIOSKで販売しているが、品薄気味で、売切れ状態の場合が多い。可能であれば、仁和食産に電話予約を入れ、駅のKIOSKで受け取る事をお薦めする。
予約は前日まで。2個以上注文(種類は違っても構わないようだ)。注文後のキャンセル不可。

株式会社 仁和食産
福島県会津若松市門田町大字日吉字対馬館85-1
TEL:0242-28-7718
FAX:0242-28-7743
E-mail:info@niwashokusan.com
http://www.niwashokusan.com/


☆ 追記
2008年1月をもって、仁和食産は若松駅での駅弁販売から撤退したそうだ。
ただし、電話で予約注文すれば若松駅で受け取る事は可能なようである。
ここに並べた弁当にご興味をお持ちの向きは、上記に電話してご相談される事をお奨めする。
2008/05/07
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どうする会津バス
会津バスは昨年10月1日より、新規路線での運行を開始した。
国県から補助を受けていた生活交通路線2系統を廃止、5系統を統廃合。
廃止2系統
   ・若松駅発坂下営業所行き(開津経由)
          →市が運行する北会津地域巡回バスで代替
   ・若松駅発田島駅前行き(新道・芦ノ牧経由)
          →運行経路を変更した循環芦ノ牧線が代替
新設路線
   ・市内5コース 1日8便
      駅前→米代→年貢→中野→運動公園前→漆器団地組合前→飯寺→
      高田橋→対馬館団地→湯川橋→竹田病院→神明→駅前
   ・市内6コース(5コースの逆) 1日6便
   ・北会津地域巡回バス(高田橋=北会津支所=蟹川) 1日3便
      駅前→中央公民館→竹田病院→湯川橋→高田橋→柏原→
      北会津支所→下荒井→舘→真宮北→蟹川→幕内東町→湯川橋→
      竹田病院→中央公民館→駅前
   ・北会津地域巡回バス(蟹川=北会津支所=高田橋)逆周り 1日3便

その他変更等
   ・飯盛山回りが 若松駅→一中前→蚕養神社前→会津短大南口→飯盛山下に
    経路変更
   ・猪苗代線と福良線を廃止し 強清水から戸の口原経由原長谷川前行きに変更
    (朝1便/原長谷川前→福良古町 夕1便/福良古町→原長谷川前が連絡)

ざっとこんな感じである。全体的に、運行本数も減っているようだ。
個人的な大打撃は、若松から直接福良へ行かれなくなり、本数も激減した事と、猪苗代行きが無くなって戸の口原の更に東、十六橋近くへ行かれる路線が消滅した事。
飯盛山回りの経路変更も、妙国寺へ行きづらくなったのが堪える。
10月1日から新しい時刻と路線がネット検索できるかと思っていたのだが、「会津バスナビ」は待てども待てども更新されず、ようやく1月も中旬に差し掛かる頃に時刻表が出揃った。ただし、路線図の方は若松市内しか更新されておらず、広域路線図は未だ古いいまま。市内路線図も拡大しようとクリックすれば、「ページが見つかりません」と表示される始末。
その上、この会津バスのWebサイト、聞いたところによると会津バスの公式ページではないらしい。今日びの公共交通機関が、自前のWebサイトも構えていないとは……
なかなか新情報が上がらないサイトに業をにやし、昨年11月末頃、会津若松駅前のバスターミナルを訪れた。通常配布している小冊子型の時刻表を入手すれば、廃止や変更路線も判ると思ったのである。
ところが窓口の職員さんは、まだ時刻表ができていないと言うのだ。時刻改定から、2ヶ月近くも経っているのに。
「営業努力」とは、高速バスを売り込む事だけではないはずだ。
地元客の自家用車利用率が増え、山間部の過疎化が進んでいるのは、確かにバス会社としては大きなダメージだろう。ならば、こまめな情報発信で地元以外からの集客を考えても良いのではないか。ただし、以前も書いたようにお決まりの現地ツアーバスではなく、多様化した旅行者の必要に応じた路線バスの充実こそが望ましい。土日祝日に減便するのも芳しくない傾向である。実際に、土日祝日減便に対する不満の声も耳にしている。むしろ、平日以外にこそ外来の客向けに増便すべきではないだろうか。特に若松市内は、観光で訪れる旅行者が多いのだ。小さな「はいからさん」で、ぐるぐる不要な場所まで連れ回されるより、目的の場所へ速やかに移動できる方が有難い場合も、少なくはないだろう。
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会津田島駅「幻の駅弁」と新宿京王駅弁大会

新宿京王百貨店の名物催事「元祖 有名駅弁と全国うまいもの大会」が、1月11日から始まった。このたびで42回を数えるという。
だいぶ以前から時折顔を出しているが、年々会場を目指す人出が増えている。あちこちのTV局が小特集など組んで次々と情報を繰り出しているのも来客数増加の一因だろうが、それにしても、何故これほどの人数が「駅弁」に集まるのか。興味深いところではある。

開催初日、閉店30分ほど前に会場へ行ってみた。
平日仕事を終えてからだと、どうしてもこの時間になってしまう。
さすがに多くの弁当店が「売切れ」の札を掲げ、在庫のあるところの殆どは、まだ行列が続いている。
目当ての弁当は、既に無い。
そこでまだ販売をしている店から岐阜県高山駅の駅弁屋を選び、「飛騨牛しぐれ寿司」1050円を購入。持ち帰って蓋を開けると、長方形の器に彩りよく具材が並んでいた。味わいも良好。しぐれ煮とたたき、2種類の牛肉も駅弁としては贅沢めの量。満足感と美味しさで、思った以上に箸が進んだ。

翌日。やはり同じくらいの時間に顔を出し、今度は長崎駅の「ながさき鯨カツ弁当」1050円を狙う。行列の最後尾に付くと、さらに3人並んだところで売切れ宣言が飛んできた。運よく、寸前で間に合ったらしい。
鯨カツが薄めなのは、素材が希少で高価なのだから致し方あるまい。カツの下に、錦糸卵と細切れ肉の煮つけを敷いてボリュームアップを図っている。白飯が容器の底に薄く敷いてある風情で、カツに染み込んだ辛目のソースを考えると、もうひとつ量が少ない気がした。内容に比して箱の高さがあるため、上部が妙にスカスカした印象で余計にそう感じる。

2日間とも本命に振られたため、今日こそは、と、日曜日の午前中に会場へ向かった。
到着したのは10時半頃。早くも、会場へ踏み込んだ途端気分が悪くなるくらいびっしりと、人、人、人……。会場内の数箇所に、休憩所兼駅弁即喰い用のベンチをたくさん並べた一画があるのだが、ここにも隙間無く人が座っている。わずかな空間を縫うように目当ての売場へ行くと、既に午前中の分は品切れ。正午頃、改めて整理券が出るという。仕方なく一旦会場を離れて他の買物等を済ませ、改めて正午直前に行ってみた。文章にするとどうという事もない話のようだが、とにかく物凄い人数が無秩序に動き回っている場所である。突入・離脱ともに、何度も繰り返したくはない。
やっと貰えた整理券には、受取時間13時〜14時と記してあった。更に1時間、他の用事で時間を埋める。
13時ちょうど。ようやく「煮込みソースかつ弁当」1000円を入手。できたての弁当を提げ、大急ぎで帰宅した。
この弁当、「会津鉄道会津田島駅の駅弁」として紹介されているのだが、実は会津田島駅で「煮込みソースかつ弁当」は販売していない。駅売りの弁当は、秋期限定の「まつたけ二段弁当」以外は、コンビニの売れ残りみたいな代物ばかり。駅弁とはとても呼べない。野岩鉄道〜会津鉄道ルートには、通年売りの名物駅弁は存在しないのだ (ただし指定列車で、仕出し弁当屋が調製した弁当を車内受取する事は可能) 。
長方形の小振りな蓋を取ると、白飯の上をきっちり覆うようにカツの卵とじ。数粒のグリンピースが彩りに載っている。小さな紙カップがふたつ隅に添えられ、片方には煮豆、残った方には漬物が数切れ。一見どこにでもあるカツ丼弁当だが、名前の通り、このカツは特別に調製したソース煮込みだ。少々辛目のソースでしっとりした揚げ衣と玉葱の薄切りが、白飯の味を倍加させる。豚肉も、そこそこ厚みがあって上等だ。堪能、堪能。何度も足を運んだ甲斐があった。
食べ終えて、ふと考える。
「煮込みソースかつ弁当」は、今回の駅弁大会用に製造されたイレギュラー弁当で、細かい話をすれば「有名駅弁」ではなく「全国うまいもの」の方に分類される品だが、いっその事、これを機会に実際の「名物駅弁」にしてしまうのはどうだろう。
問題は、冷め切っても美味しく食べられるか、普段は乗降客の少ないローカル線で販売利益がどの程度見込めるか、という点だ。……後者は、難しいかな……。

本日より、新宿京王百貨店の「駅弁大会」は後半戦に入った。
部分的に販売物の入れ替えもあり、更なる集客が予想される。
もう、あの混雑はこりごりなのだが……
……今日から販売の山陽新幹線新神戸駅「豚々拍子」980円……ちょっとそそられる(笑)

会津鉄道
   http://www.aizutetsudo.jp/
会津鉄道・弁当案内
   http://www.aizutetsudo.jp/benntou.htm
なかじま(煮込みソースかつ弁当調製)
   http://www.nakajima-aizu.biz-web.jp/14.html
金亀館(飛騨牛しぐれ寿司調製)
   http://www15.ocn.ne.jp/~kinkikan/index.html
くらさき(ながさき鯨カツ弁当調製)
   http://www.kujira-shop.jp/

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江戸文化歴史検定の不適切

昨秋、「江戸文化歴史検定」なるものが実施された。
いわゆる「ご当地検定」のひとつに位置づけられるが、この「江戸」が、「地域」だけではなく「時代」をも表しているという曖昧な設定で、試験範囲は「江戸市中」に限らないところが特徴である。
申込締切ギリギリまで迷っていたけれど、どのような問題が出るのか、という興味で2級と3級を受験する事にした。第1回にあたるこの回は2級と3級の検定のみ。1級の検定は、2回目以降に実施される。
大江戸見聞録
設問は、四者択一のマークシート方式で100問。1問1点の100点満点で、70点以上が合格。主催者の一翼を担う小学館が公式テキスト『大江戸見聞録』なる本を発行し、3級の80%、2級の50%がこの中から出題されるという、抱き合わせ商法を展開した。(笑)
しかもこの「公式テキスト」、あちこちに誤記がある。後日Webサイトに正誤表が掲載されたが、それでも全てが正されていないところが何とも情けない。







ビジュアルNIPPON 江戸時代更には、検定の半月ほど前にA4判で4410円もする「副読本」を発売。つられて飛び付いた受験生も、少なからず存在するだろう。

ともあれ2006年11月3日。検定会場の青山学院大学へ赴いた。受験申し込み者数が主催者側の予想を遙かに上回ったらしく、急遽専修大学へ設置した第2会場へ3級のみ受験の1000名が振り分けられたが、残り約6000名が朝の青山へ集まる。校門を潜ると、大学受験さながらに試験会場が貼り出され、案内看板と誘導の係員がそこここに立つ、なかなか「それらしい」雰囲気が溢れていた。予想通り団塊世代の男性が多いが、小学生や和服姿の若い女性もちらほら。指定された教室には、印半纏を羽織ったイナセな親方の姿もあった。
総じて高い年齢層が受験生の中心なせいか、説明書き等があってもマークシートの記入方式に不慣れな人が多く、混乱も生じていたようだ。答案記入を済ませて退室する際、たまたま目に入った隣席の50代とおぼしきご婦人は、塗り潰す場所を総て丸印で囲っていた。あれで終了ギリギリの提出だと、やり直す暇もなくて、知識が有っても点が取れないという結果になるのだろうか……。

ベンチ式の机と椅子に、ひとつおきで受験番号が貼られ、黒板には区画毎の番号表記。いささか緊張気味に、自分の番号を示す席に就く。午前の90分が3級、午後90分が2級の検定だが、両方受検する者は午前も午後も同じ席になる。
試験前の説明があり、開始の合図で一斉に冊子状の問題用紙が広げられた。

何問か進めるうちに、あれ? と、首を傾げる。
問題文が、おかしいのだ。
もちろんまともな設問の方が多いのだが、ところどころに妙なのが混じっている。

その1.内容が曖昧なもの

「ひっかけ」問題というより、複数の答が該当するような、「どっちつかず」の表記をしている問題。
例えば「町入用(各町の維持運営費)を負担していたのは誰か」
町入用の支出を義務づけられていたのは地主(オーナー)だが、多くの場合実質的な経理運用に携わっていたのは大家(家守・管理人)である。どちらを答として求めているのか、この問題文では判然としない。

その2.問題文の表現に間違いがあるもの

例えば、長屋の店賃(家賃)が1年分でいくらになるか計算する問題で
「うるう年ではない」という条件が表記されているが、江戸時代に「うるう年」は存在しない。明らかに「うるう月の無い年」の誤りだ。
また、細かい話だが、「会津」は「あいず」ではなく、「あいづ」である。図書館で項目検索してるんぢゃないんだから。(笑)

その3.問題文が不適切なもの

「長崎出島の面積は、東京ドーム何個分か?」
確かに「公式テキスト」には表記があったが、未購入の受験者も皆無とは言い切れまい。長崎出島の面積を知っていても、東京ドームの面積が判らなければお手上げである。江戸の勉強に東京ドームの面積が必須知識というのは如何なものだろうか。
それとも、小学館を儲けさせない受験生には点を取らせないという話か?

その4.問題文の内容に間違いがあるもの

これが最もタチが悪い。

「戊辰戦争……、飯盛山の戦いで……」戊辰戦争の際、飯盛山で「戦闘行為」はなかった。

「京から帰還した新撰組が宿泊したことでも知られる『土蔵相模』……」江戸へ帰還した新選組が品川で投宿したのは、「釜屋」である。

「横浜は……幕末に「開港場」として開発された町ですが……町の中心にある施設を設置しました……」
この設問の解答が「遊郭」だという。しかし、開港当時に「港崎遊郭」が設置されたのは開港場に南隣する太田屋新田の中ほどであり、中心どころか、開港場の範囲内ですらなかった。

史実に反するデタラメを並べて、何が「検定試験」だ。味噌汁でツラぁ洗って出直して来い! べらぼうめ!


この有様を予測してか知らずか、主催側は設問に関する意見や問い合わせを「一切受付けません」という態度を堅持している。
「江戸」の定義の曖昧さ、公式テキストの誤記も含め、まず主催する側、問題作成の担当者達の、日本語の表現力と江戸に関する知識をきっちり検定した方が良いだろう。

12月下旬に入って、2級3級共に合格通知が来た。……が、設問がこの状態の検定試験に受かっても、喜ばしい気持ちにはなれないのだ。

年末には、『江戸吟味問答控』と称する出題の公式解説集が2級3級それぞれに発行された。果たしてどのような「解説」がなされているのだろう。見るのがコワくて、未だ手にしてはいない。(笑)
江戸吟味問答手控-2級江戸吟味問答手控-3級

今秋には、第2回目が開催されるのだろうが、それまでに、問題作成者はぜひ「正しい」設問作りができるよう、精進して戴きたいものである。

……1級受験、どうしようかなァ……
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土湯温泉の会津道

横向温泉方面から土湯峠を野地温泉側へ越え、野地温泉ホテルで休憩しつつ福島駅行きのバスを待って土湯温泉へ出るのが当初の予定だったが、雪に阻まれて振出へ戻る事になってしまった。
仕方なく「森の旅亭 マウント磐梯」から電話をかけ、タクシーを呼ぶ。連休中でタクシーも需要が多いため、小1時間待ってくれという返事だった。すぐに来て貰えるなら野地温泉でバスに乗換えできるが、それだけ待たされると連絡が取れなくなる可能性が大きい。11時前に野地温泉を発車するバスを逃したら、次は15時頃の1便があるだけだ。腹を括って、土湯温泉まで走って貰う事にする。
「マウント磐梯」の土産売場で買物などして時間を潰す。40分ほど経った頃、タクシーがやって来た。さっそく乗り込み、今度は「県道30号線の土湯峠」を越える。うねうねと続く自動車道は、沼尻と横向温泉の間で分岐して土湯トンネルを潜った国道115号線と再び合流。車はどんどん高度を下げていく。
土湯温泉の中心部、観光案内所前で下車し、以前は反対側から辿った太子堂への道を進む。前年の秋に来訪した際に、カメラの調子が急に狂って撮影ができなかった場所だ。
太子堂の入口へ差し掛かると、ほんの2時間ほど前にあれだけ残雪で苦労させられたのが嘘のように、桜が咲き誇っていた。土湯温泉の花盛り

参道に当たる階段と並ぶように走る道が、土湯温泉における福島街道の会津側出入口になる。
福島街道(会津道)入口@土湯

登り始めたほんの少し上に、福島街道(土湯のお年寄は「会津道」と呼んでいる)の説明文を記した木標が建つ。
福島街道(会津道)木標1
福島街道(会津道)木標2

山神社のたもとを抜け、薬師こけし堂の境内へ。道はここから急斜面を這い上がる山道となって、上へ上へ伸びていく。
福島街道(会津道)登り口

少し踏み込んでみると、あっという間にこけし堂が遙かな足元へ遠ざかった。
福島街道(会津道)

地形図を見た限りでは福島街道そのものを歩き通すのは不可能なようだし、地元の方から聞いたところによると、近年は整備の手も入っていないらしい。それでもこのあたりはまだまだ歩くのに不自由を感じないため、うっかりするとこの馬鹿は、せっかくタクシーを使って降りてきた道程をまたどこまでも登り返してしまいそうである。早々に思い切り、こけし堂の境内へ戻った。
エンレイソウキクザキイチゲ
エンレイソウキクザキイチゲ

今回は撮影も滞りなく済ませ、再び温泉街の中心へ。正午少し前なので、昼食を摂ってバスを待つ事にする。通りがかりの店をいくつか覗いた末、「味工房 ひさご」という蕎麦屋の暖簾を潜った。
冷たいつゆと温かいつゆの蕎麦十数種と釜揚げうどんが、メニューに並んでいる。季節物の山菜てんぷらに心を惹かれたが、結局温かいつゆの鴨つけそばを注文。値段の割に蕎麦が少なめな気もしたが、味は悪くない。
鴨つけ蕎麦
1100円
鴨せいろ

ただ、これから混み合うのを予想して焦ったのかも知れないが、洗面所へ立った隙に器類を一切合財片付けられてしまったのには参った。飲み易くなるよう、わざわざお茶を残して冷ましておいたのに……

時間はかなりあったが、食後はそのまま観光案内所前のバス停へ。13時15分発福島駅行きのバスに乗り、土湯温泉を後にした。
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降り経路の選択
野地温泉への道は、行程の2割を越えた辺りで、いきなり雪原に変貌した。前年の秋に往復した際、ここは熊笹の薮野原だったはずだ。微かに人が渡った痕跡はあるが、現在の装備では、それを辿るのもおぼつかない。
福島街道01
行く手の雑木林手前 斜面が急角度で落ち込んでいる

試しに歩き出してみたが、雪原の反対端近くまで来ると、眼の先にある雑木林の中へ雪の斜面が相当な急角度で落ち込んでいるのが判った。ストックさえ無い状況では、ここを渡渉するのは無理だ。よしんば強行するとしても、骨の1本くらいは折る覚悟でなければ、これ以上は踏み出せない。あと20分も歩けば、野地温泉ホテルに到達できるのに……。悔しい気持を噛み締めながら、もう一度峠の上へ引き返す。

土湯峠に立って、ぐるりと360度を見回す。
野地温泉へ降りるのは無理だ。鬼面山へ向かう経路は問題外。西へ向かうと県道30号線の土湯峠近くにある電波塔のたもとまで行けるはずだが、入手した情報ではこの経路は熊笹の繁り方が激しく、道が殆ど消えているそうだ。そこへ積雪があるとなれば、状況は計り知れない。
先刻登ってきた送電線の点検路を逆に取って、再び横向温泉方面へ出るのが唯一の選択肢か。と、左脳が理性的な判断を下しているにも拘らず、峠から横向へ福島街道を辿るとどうなるか、という右脳の思い付きに乗せられて、峠から直接伸びる山道へ足を踏み出す。
……どうしてこう、物好きな馬鹿なんだろう……

降り始めた福島街道は、そこそこ険しかった。斜面が崩落して路が削られたのか、階段を設置した部分まである。春の雪が残る斜面は滑りやすく、少しでも気を抜くと足を取られそうだ。途中手頃な枯れ枝で杖を作り、バランスを取りながら先へ進む。
福島街道02残雪の向こうに 金属製の階段が見える

渡り切って振り返ったところ
奥の斜面と手前の足元に階段がある
福島街道03

やがて、というか、案の定、というか。行く手は、登りの際に渡渉を諦めた雪斜面の反対側で行き止まりになった。こちらから見ても、どうやらこの斜面は歩けそうに無い。それ見たことか、と、自分の左脳に冷笑される。
またぞろ峠まで戻り、点検路を歩き直すか。とも考えたが、少し手前に残雪溜りがあったのを思い出した。
雪で熊笹が押し倒された場所を選んで斜面をよじ登れば、上方を走る点検路へ出られるかも知れない。
残雪と打ち伏した熊笹の境界を辿るようにして、慎重に斜面を這い登る。残雪の天辺から意を決して熊笹の中へ分け入ると、幸運な事に1mたらずの藪漕ぎで、ぽっかり、と、送電線点検路が現れた。
後は来た路を戻るばかりである。
麓から吹き上げる強い風に煽られながら、山道へ取り付いた自動車道路の傍へ。そしてくねくねと自動車道路を下り、「森の旅亭 マウント磐梯」の玄関を潜った。
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なんとか土湯峠
土湯峠への途上左の路は、予想より歩きやすかった。道幅もそこそこあり、幸いにも雪が残る場所が少ない。少々進んだところで、右手下方に先刻踏み込むのを断念した場所が見えた。







土湯峠への途上2比較的楽な路とはいえ、途中には雪溜まりも残り、融雪が小さな沢を作って道筋を分断している箇所もある。
















しかし、幸いにも前進を阻むほどの状況には遭遇せず、地道に高度を稼ぐ。
フキノトウフキノトウ

ショウジョウバカマショウジョウバカマ

やがて、稜線と東側奥へ連なる鬼面山の姿が前方へ現れた。
土湯峠への途上3

次第になだらかになっていく登りに安堵しながら、何とか尾根筋へ辿り着く。
肝心の土湯峠は、登り切った地点より東、自分の右手側に位置していた。
土湯峠遠望

やはり途中から、送電線の点検路を辿って来たらしい。福島街道の道筋そのままなら、土湯峠へピタリと到達できるはずなのだから。
ともあれ、雨の降っていない(笑)土湯峠に到着。心穏やかに写真を撮る。会津側は少し青空が見えているが、中通り側はしっかりと曇っていた。
登攀の所要時間は、1時間と少々である。

さて。
今度は下りにかかるわけだが、北向きの斜面は今登ってきた南斜面より遙かに残雪が多いであろう事は容易に想像が付く。どのような状態になっているのか。
行ってみなければ判るまい、と、意を決して野地温泉方面への経路へ踏み出した。
土湯峠060505

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行く手を阻まれる
味気ない山中の自動車道路を登る。しばらくして、左手前方に「森の旅亭 マウント磐梯」の建物が見えてきた。さすがGWの真っ只中。門前には自家用車が列を成している。
ホテルマウント磐梯

敷地を行きすぎると、左手に磐梯山が見え始めた。九十九折れの登り勾配で急カーブを回り込むたびに、山容がくっきりとしてくる。
途上の磐梯山

やがて、本来タクシーを降りたかった地点に辿り着いた。自動車道路との分岐には、格別登山道としての標識は無い。知らない人が通りかかったら、送電線の点検路口としか映らないだろう。
目的の登山口

土湯峠への登山道入口状態の悪い画像で、申し訳ない

立ち止まって時刻を確認し、メモと写真をとってから足を踏み入れる。少し進んだところに、ようやく登山道の標識を見つけた。
登山口の標識
先へ行くと、だんだん木立の影が薄くなり、周囲は丈の低い熊笹が主役になる。つまり、背の高い植物は育ちづらい、風が強い場所なのか。そんな事を考えながら、結構キツい斜面を這い登る。案の定、高度が増すにつれて風の勢いが変わってきた。立ち止まって地形図を確認したくても、広げれば飛ばされそうだし、足場の良い物影は殆ど見当たらない。
そして。
危惧していた状況が、目の前へ現れた。行く手が残雪で白く固まっている。
福島街道の残雪01福島街道の残雪02福島街道の残雪03

福島街道の残雪04

妙に緩んでいたり、逆にアイスパーン化していたり、踏み込んだらすでに底部が解けていて、足を取られたり。かと思うとびっしり積りまくって道筋はもちろん、どこに何があるか判別できずに歩を進めるのが躊躇われたり。
春の残雪はなかなか厄介だ。
慎重に進むと、残雪はだんだん多くなってきた。こわごわ足を運び、何とか雪斜面を渡る。南向きの猪苗代側でこれなのだ。北向きの土湯側はどうなっているのだろう。不安はどんどん膨らんでくるが、まだ全く歩けないわけではない。できる限り先へ行ってみよう。幸い雪の全くない部分もかなりあるし、峠の天辺までは、どうにか頑張れるのではないか。。
誰かの「落し物」狸(?)の落し物

しばらくして、送電線の支柱を境に道が左右に分かれる場所と遭遇した。
謎の分岐点 どちらへ行けばいいのか。
地形図を眺めた限りでは、右へ向かうのが本来の「福島街道」に当たる道のようだ。こまめに振り返って位置を確認しながら、右の道を取る。
雪の急斜面しかし程なく、行く手は雪溜りに遮られた。
急斜面にびっしり残った雪には、数日前に誰かが歩いた跡があり、彼方には道の続きが見えている。
しかし。
自分のバランス感覚と装備を考えると、どうしてもここを渡るのは難しい。
滑落すれば、いつ誰に見つけて貰えるかも知れない場所である。
無茶をしたい気持をぐっと抑えて、先刻の分岐まで戻る事にした。









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「運転士」運のない朝
5月5日早朝。
速やかに身支度を整えて、5時40分頃宿を引き払う。目の前にある会津若松駅から、郡山行きの初電に乗車するためだ。改札を抜けると、1番線ホームに3両編成の電車が待っていた。休日の朝一番、乗客は1車両に4〜5人といったところだ。
磐越西線455系仙台色

6時ちょうど。ドアが閉まって電車は走り出す。新緑の眩しい若松市街から急勾配の線路をぐんぐん登って、6時24分、春の入口へさしかかった猪苗代駅着。さすがに空気が冷たい。
駅前広場の北西に隣接した、会津バス猪苗代営業所へ。バスターミナルで中ノ沢方面行きのバスを見つけて近づくと、運転士は料金箱を帽子で塞ぎ、扉の鍵をかけたままどこかへ行っている。おそらくは寒さを凌ぐため、営業所内の待合室にでも入っているのだろう。
数分して、運転士のおっちゃんがやって来た。後へ続いてバスの出入口へ近寄ると、鼻先でドアを閉められ、発車されそうになる。
慌ててドアを軽く叩くと、おっちゃんは驚いたような顔でバスを停め、扉を開けた。
「何だい、あんた、バスに乗るんだったの?」
発車前のバスの入口で待ってる人間が、他にどんな用事があると思ってやがったんだよこのスットコドッコイ! と、心の中で叫んでみる。
表面的には平静を装い(笑)、沼尻のバス停まで行きたい旨を告げて座席へ腰を降ろした。
会津バス中ノ沢・達沢線@猪苗代営業所

自家用車の普及や地方の過疎化に伴う利用客の減少を、会津バスはリストラだの路線廃止だのの理由として上げているが、企業としての体質を考え合わせれば、利用客減少の原因はそれだけでもあるまい。
国道115号線は、ほぼそのまま昔の福島街道にあたる。途中から中年女性がひとり乗車しただけで、バスはぐんぐん進む。殆どが通過停留所なのだが、時間調整はしなくても大丈夫なのだろうか。ただでさえ本数の少ないバスなのに、定刻前に行き過ぎられてしまったら、泣くに泣けないだろう。
115号線と県道24号線の分岐に、沼尻のバス停はある。降り立つと、バスはゆっくり県道へ入っていった。ただひとり残った乗客は、この先にある中ノ沢温泉で働いている人なのか。
停留所脇の空き地で、前もって予約しておいたタクシーに乗換える。地図のコピーと地形図を広げ、この場所へ行きたいんです、と、運転士さんに何度も念を押す。タクシーでの目的地は、土湯トンネル手前を県道30号線へ入った先にあるヘアピンカーブ。特別な目標物も無い場所だ。
「あーはいはい。大丈夫ですよ」
運転士のおっちゃんが、のんきな返事をする。地元のタクシーだから道は詳しいだろうし、県道との分岐までは国道を道なりに行くルートだから、ひとつも不安は無い、はずなのに、何だか嫌な胸騒ぎがした。
標高520mの猪苗代駅前から、バスとタクシーでさらに600mを越える上りの行程。沼尻バス停は、まだ半分も登っていない高さにあった。傾斜がきつくなった坂道を走るうち、そこここに残雪の姿が見え始める。
まずいかもしれない。
これから標高1272mの土湯峠へ向かうのに、春山トレッキングの出で立ちで来ているのだ。上は、どんな様子なのだろう。
胸騒ぎはこれだったのか、と、考えながら進むうち県道30号線に入り、登山道との分岐でタクシーが停まった。
着きましたよ、と言われ、料金を払って降りる。時刻を確認している間に、タクシーは元の道を戻っていく。
地形図を広げて確認するが、どうもおかしい。すぐ右手に見えるのは、どう考えても「プルミエール箕輪」のスキー場リフトである。
あれだけ確認を取り、大丈夫だ任せておけと請合っておきながら、運転士のおっちゃんは1.3kmほど手前にある別の登山道へ車をつけたのだ。正確な状況を把握し、しばし愕然とする。距離はそれほどでもないが、ひたすら登らねばならない。峠越えを前に余分な体力を使いたくはないのだが、どうしようもあるまい。
タクシードライバーのおっちゃんを恨みながら、県道30号線を「森の旅亭 マウント磐梯」方向へずるずると歩き始める。
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